「私(62歳・女性)が住む町の伝統行事『30分間回泳』。半世紀以上前に私も参加しました。そのときに見た美しい景色をいまでも覚えています」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■我が町の伝統行事! 「30分間回泳」に挑戦!
私の住んでいる市では、小学生の時に30分間プールで泳ぐ「30分間回泳」というのがあります。
足のつかない50mプールで30分間も泳ぎ続けるというもので、水難事故対策のために始めたものが伝統行事になったようです。
希望者のみではありますが、参加するお子さんはたくさんいます。
私が参加したのは小学校4年生のとき、いまから半世紀以上前になります。
当時はそんなものがあるとは知らず、担任の先生から「おい、やってみろ」と言われての参加でした。
夏になると、近くの湖で親がボートで伴走する横で、向こう岸まで泳いだことはありましたが、30分間も泳いだことはありません。
「30分間回泳」は市営プールで行われるのですが、参加者全員が同じ方向に泳ぐと流れができるので、ある程度頑張れば、あとは水に乗って浮かんでいるだけで進んでいきます。
つまり、最初の2、3分間を頑張れるかどうかが山でした。
■いまでも鮮明に目に焼き付いている水面から見た青空
そして当日、市営プールの50mコースに100名ほどの子どもたちが集まり、プールのへりにつかまって、スタートの合図を待っていました。
「用意、始め!」のホイッスルとともに泳ぐと、1分間ほどで参加者が次々に離脱していきました。
「あれ? 〇〇ちゃんも~!?」
私の友だちもどんどん脱落...30分間も泳ぐのが初めての子がほとんどなので、体力的なことだけでなく、不安になって泳げなくなったのかもしれません。
スタートして5分ほどたった頃、プールの水が動き出しました。
クロール、平泳ぎ、横泳ぎ、ついには水の中で手をパタパタする背泳ぎだけで、流れにのり始めました。
私は背泳ぎをしながら晴天の空を眺めていました。
30分経ち、ようやく終了のホイッスルが鳴りました。
プールから上がると、足がふらふら...。
あまり泳いだ感覚はなかったのですが、まがりなりにも30分間も水の中にいたのです。
宇宙飛行士が地上に戻ると足がふらつくってこういう感覚なのかなぁ、と思ったことを覚えています。
あの夏から早50年以上過ぎましたが、いまでもこの「30分間回泳」は続いています。
私たちのときとは違い、室内プールの立派な設備で開催されているようです。
背泳ぎをしても、空はもう見られないんだなぁとしみじみ思います。
あの素敵な空はいまでも忘れることができません。
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