<この体験記を書いた人>
ペンネーム:けんけん
性別:女性
年齢:51
プロフィール:実母(80歳)息子(12歳)の3人でちょっと田舎に住んでいます。
私の母は人より霊感が強いそう。
そのため不思議な話がたくさんあります。
これは母から聞いた、今から30年ほど前の出来事です。
当時48歳だった母は、以前師事していた先生が亡くなったため、別の先生について修行をしていました。
知人の紹介で知り合ったその先生は、50代後半の男性の方でした。
普段は骨董商をしている方で、紹介される何年か前に、警察が公開捜査をしていた行方不明の子どもを霊能力で見つけ出して、一時期その周辺で有名になったそうです。
当時、私たちは大阪の東部に住んでいましたが、先生が住んでいたのは奈良。
距離はありましたが、母は先生に呼ばれると依頼のあったお宅に一緒に伺い、お祓いの手伝いを何度もしていました。
ある冬のこと、高野山奥の院で夜の修行をすることになった父(当時50歳)と母は、先生を車で迎えに行きました。
先生の知人の女性の方も交えて4人で車に乗り、高野山の奥の院へ向かうことに。
当時は高野山に行くまでの道が今ほど整備されておらず、かなり走りづらかったとか。
急カーブの連続で、昼間でも気をつけないと危ない山道です。
夜は昼間の数倍の神経を使って走らないといけません。
崖から落ちるのではと思った、と母は話していました。
夜の奥の院は、静寂と暗闇に包まれた参道を歩いていくのですが、姿は見えないけれど大勢の人が玉砂利を歩く音が聞こえたり、読経が聞こえたり...。
弘法大師様が修行されていた所で先生と母が般若心経を唱えていると、他からも一緒に唱える声が聞こえました...。
無縁仏のお墓の近くでは、火の玉のようなものも見えたそうです。
1時間ほどの修行が終わり、車で帰る途中、閉店間際の飲食店で食事をすることになった母たち。
注文の前に順番にトイレを済ませテーブルに戻ると、湯飲み茶わんとおしほりが5つずつ。
店員さんが数を間違えたのだろうと思い、それぞれが注文をすると、店員さんは不思議そうな顔をして聞いてきたそうです。
「あの...もうお一人の注文はどうしましょう?」
「いえ、4人ですよ」
そう答えると店員さんは何度も首をかしげていたとか。
店員さんには母たちに見えない5人目が見えていたのかもしれません。
その人は誰だったのか? どこから一緒について来たのか?
もしかすると一緒に修行がしたかったのか、一緒に行けば成仏できると思ったのか...今となっては分かりません。
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