<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ラズベリイジャム
性別:女性
年齢:52
プロフィール:夫(59歳)と娘(18歳)と愛猫2匹で暮らしています。長女(23歳)は社会人になり独立! 52歳で再就職したアクティブ主婦です。
私が小学校5年生だった頃の話です。
その日は日直で、放課後に教室の後片付けをして日誌を書いていました。
4時を過ぎる頃、いつもならその時間にも同級生が校舎にいるのですが、その日はなぜか私1人です。
なんとなく怖くなって早く帰りたかったのですが、トイレに行きたくなり、仕方がなく向かうことに。
そのトイレは和式で、ドアに背中を向けてしゃがむタイプです。
用を足そうとしていると、隣でカチャンとペーパーホルダーの音がしました。
「あ~誰かいるんだ」とホッとして、一旦外に出て隣のトイレを見たのですが誰もおらず、扉が開いています。
不思議だなと思いつつ、もう一度トイレをしようと鍵をかけました。
ふと下を見ると、隣のトイレに黒い影がすっと通ります。
不思議に思った私はトイレどころではなく、隣を覗きました。
やはり誰もいません。
夕方のトイレはだんだんと薄暗くなってきて、怖さも増してきました。
用を済ませてさっさと帰ろうと思いトイレにかがみます。
すると突然、私の真後ろの扉が、誰かが両端をゆすったようにガタガタガタと揺れ始めました。
誰もいないはずなのに...! びっくりした私はトイレを急いで済ませて飛び出しました。
飛び出した後、その階を一周してみました。
もしかして、誰かがいたずらをしたのかもと思ったのです。
走りながら人を探したのですが、私以外は誰もいませんでした。
古い小学校で七不思議等の話があったものの、それまでは本気にしたことがない私でしたが、あまりの怖さに走って家に帰りました。
親に話そうかと思いましたが、誰も信じてくれないだろうと自分だけの秘密にしました。
それから数年がたち、私が16歳になったときのことです。
近所の和菓子店でアルバイトをしていて、そこには私と同じ小学校に通ってる娘さんがいました。
ある日、怖い話をその子にせがまれたので、昔自分がトイレで体験した怖い話をしたところ、不思議そうに聞いてきました。
「おねえちゃん、今話してくれたトイレって、3階の右から3番めで左から2番目のトイレ?」
私は場所まではっきりと覚えていました。
「そうだよ。よく知ってるね」
「今ね! そのトイレね! バッテンでテープが貼られて立ち入り禁止って書いてあるんだよ」
え...と何秒か固まってしまった私。
あの後に何かあったのかもしれません。
怖い! 改めて自分に何も起こらなくてよかったと思い、冷や汗が出ました。
あまりにも気になったので後日、恩師を尋ねて学校へ行きました。そしてそのトイレも覗いてみたところ、娘さんが言ったようにテープが貼られ、立ち入り禁止と書かれていました。
急いでその場を立ち去りましたが、あの体験をしたときよりもずっと怖かったのを覚えています。
間違いなく「立ち入り禁止」と書いてありました。
トイレで怖い体験をしたときよりも恐ろしい瞬間でした。
人気記事: 《漫画》86歳義母と同居する60歳主婦の私。義母の介護が始まってからの生活は...<前編>
人気記事: 《漫画》自分のミスはヘラヘラごまかす20歳年上の神経質夫。それを見た娘が鋭い一言を!<前編>
人気記事: 《漫画》「命を削ってでも孫の面倒を見る!」弟の妻が亡くなり80歳両親が「子育て」に奮闘!?<前編>
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。