悩んでばかりだった頃より、親子で一歩一歩進み続けたことで、不安を抱きながらも、素直に息子の成長を感じ取り、喜べるようになったまるさん。できなかったことができるようになっていくリュウ君の姿が、きっと大きな支えになったのだろう。
――前半で発達外来に行ったときの不安が描かれています。このときのことを覚えていますか?
まるさん(以下、まる) もちろん覚えています。実は診察を勧められたときに、「発達外来なんてあるんだ」と初めて知ったくらいでした。この頃の私は「療育に行かなきゃいけないのに、それ以外に病院にも行かなきゃいけないんだ。忙しい...」と思っていました。
――以前はできなかったことが、できるようになっていくリュウ君。その姿に勇気づけられますね。
まる 発達の遅れがある息子と一緒にいると「これができるようになった!」「こんなことも言えるようになった!」といった発見の喜びがとても大きいんですよ。悩んだり、落ち込んだりすることが多く、常にポジティブな考え方ができるわけではありませんが、できたときの喜びが、そうした悩みを超えてしまうこともあるんです。
できるようになったことを見つけては成長を実感する。そこに育児の喜びがあるのかもしれませんね。
「どうしてうちの子が!?」と悩み、苦しみながらも、少しずつ成長する息子の姿に力を得て、一歩ずつ前に進んでいくまるさん。発達障がいを「障がい」ではなく「個性」と思えるほど子どもに寄り添い、一緒に成長していく姿を『シンママのはじめて育児は自閉症でした』で見守っていこう。