「研究者を目指すんでしょ?」東大大学院の説明会で主婦受験生は...!?/ただの主婦が東大目指してみた

知能レベルの違いに愕然とする   6月2日

説明会に来ていた学生たちは、研究室個別説明会に向けてしっかり準備をしてきたようだ。

私は、配布されたパンフレットを見ながら、必死に希望する研究室を探しまくった。

興味のある分野は、あらかじめ決まっていたから、該当する研究室を見つけるのはとてもたやすかった。

だけど、そもそも学問の基礎すら何も知らないから、何が研究したいとか、そういう大事なことはまったく思い浮かばなかった。

それからしばらくして、大学院入試説明会がはじまった。

プロジェクターで現役の学生紹介があった。そこに出てくる学生たちは、気絶しちゃいそうなくらい高い志を持っていた。特にすごい人をピックアップしてたんだろうけど、やっぱり日本一の大学はすごい。世界の~とか、平和の~とか、普通の生活をしてきた私にとっては、ファンタジーみたいなワードがたくさん出てきた。

東大に行って、研究者になるなんて、顔から火が出そうなくらい高い志を持っちゃった!......なんて考えていたけど、東大院生たちは人間というスケールを超えて、国や社会、そして世界という単位で物事を考えているよう。私が突然同じことを言ったら、周囲の人からは面白くないギャグだと思われてしまうだろう。

それほどのことを、ガチで語ることができる東大って、本当、ものすごい環境だ......! 学生紹介を見て東大への気持ちがものすごく高まった。

 

それから、入試や学生生活など、具体的な説明があった。どうやら事前に希望する研究室には、自分からアポをとって研究室訪問することが望ましいらしい。それから、研究計画書に書く研究は、「研究の新規性」が必要とされるらしい。

研究の新規性って......そもそも先行研究を把握していないと、何が新しい研究なのかわからないじゃないか! どんだけ大量の論文を読まなきゃいけないのだろうか......。

ああ、他の受験生たちがすでに研究計画書を教授に見せられるレベルにまで完成させてる理由がわかったよ。早めに行動しなくちゃ、まともな研究計画書にならない。

 

......やっぱり私には、大学院受験は厳しそうだ。

 
※本記事はただっち 著の書籍『ただの主婦が東大目指してみた』(フォレスト出版)から一部抜粋・編集しました。
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