母子共に無事退院した赤ちゃんは、自宅のベッドで寝ていたところ、転げ落ちるような怖い夢を見てハッと目が覚めます。なんとなく不安になり、泣いてママさんを呼んだら、「エミちゃん起きたー?」とママさんがすぐに駆けつけてくれました。
ところが、ここでまた赤ちゃんのナゾ行動が発生。せっかくママさんが来てくれたのに、スッ...と目を閉じてしまったのです。「えっ寝る?」と驚くママさん。どうやら、気持ちは起きたいのに、体は眠くて目が開かないようなのです。赤ちゃんは苦虫を噛みつぶしたようなおかしな顔になり、ママさんは「顔WWWWW」と笑っています。
本書によれば、これは、睡眠リズムが不規則と言われる赤ちゃんにはよく見られる現象なのだとか。自分の意思に反して体が動かないという、なんともしがたい状態を表現した赤ちゃんのかわいすぎる表情、要チェックです!
思うように体を動かせないのは大変だけど、しあわせな赤ちゃんライフをおくる和史。このまま成人男性目線の赤ちゃんライフ実況が続くと思いきや、転生前に出会っていた人物が登場するなど、物語は予想外の展開へと進んでいきます。
大きな転機となるのは、和史のブラック企業時代の上司であった、かやこ主任の登場でしょうか。このかやこ主任、なんと、和史が転生した赤ちゃんのおばあちゃんだったのです。厳しい顔しか見せなかった主任が、孫である自分にデレデレしてくるのを目の当たりにして、複雑な感情を抱く和史...。
さらに、転生前の人間関係にまつわるエピソードが続きます。かやこ主任によれば、業務過多による過労だと言われていた和史の死をめぐって、和史の前世の母親と言い争いをしていたというのです。過保護でヒステリックで、いわゆる「毒親」だった和史の母親。かやこ主任から母親の話を聞いた和史は混乱していき...。
書籍化された第1巻では、「元社畜」から「しあわせな赤ちゃん」への転生ライフにほっこり癒されてきた本作。ところが「毎日が発見ネット」での続きの連載では、前世の「パワハラ上司」とママさんの嫁姑関係や、前世の母への複雑な感情が描かれるなど、「前世よりもしあわせになる転生モノ」とは一味違ったストーリー展開を迎えています。
これからどんな困難が主人公に待ち受けるのか、まったく予想ができず、目が離せません。前世では憎しみしかなかったかやこ主任への気持ちが徐々に変化するなど、赤ちゃんの成長とともに、和史の心に変化が生まれていくのも、見どころの1つと言えそうです。
一筋縄ではいかない物語の展開は、子育て家庭にかぎらず、誰もが楽しめる面白さ。なぜ和史はしあわせな家庭に生まれ変わったのか? これから前世の母親との再会も有り得る? など、考察しながら楽しむのもいいですね。
pixivコミックによる「WEBマンガ総選挙2023」にもノミネートされている本作。今後のストーリーをお見逃しなく!
文=吉田あき
『赤ちゃんに転生した話』が、「推しマンガNo.1」を決定する「WEBマンガ総選挙2023」にノミネートされました!
投票はこちらから:https://webmanga-sousenkyo.com/vote/2
投票期間:2023年11月13日(月)14:00 まで