誰もがいちばん"かわいい"時期かもしれない赤ちゃん時代。そんな無邪気でかわいい赤ちゃんに、もし成人男性の心が宿っていたら----。
茶々京色さん著『赤ちゃんに転生した話』は、ブラック企業に勤めていた成人男性が過労死し、生まれたての赤ちゃんに転生してしまうという異色の転生モノ。この漫画が今、大変なことになっているんです!
▶【本作を最初から読む】え、ブラック企業から転職...じゃなく「転生」!? 俺がまさかの赤ちゃんに
主人公は、"ブラック"なだけに過労死してしまった撫倉和史(なでくらかずふみ 23)。しかし、神は彼を見放しませんでした。再び人間に生まれ変わったのです。それも、前世の記憶を持ったまま...。
転生先は、とっても平和な3人家族。赤ちゃんは「エミ」という名前らしく、ママさんはいつもニコニコしながら赤ちゃんをかわいがってくれます。パパさんはちょっと頼りないけど、ケンカもなくしあわせな毎日。会社に勤めていた頃より楽勝! と思っていたら...。
物語序盤の、赤ちゃんがママさんのお腹から出たばかりの誕生シーン。誕生直後、人影がぼんやりとしか見えていない、赤ちゃん目線の風景が描かれます。赤ちゃんの体に慣れていない主人公・和史は「赤ちゃんの視界こんなんなの!?」「こわ...」と恐怖を抱きます。そして、「ふえええええッ(心の声:怖いいいいいいい)」と産声をあげる赤ちゃん。
たしかに、赤ちゃん目線のぼんやりとした風景は、読者の目から見ても不安になるようなもので...。そもそも産声とは、外に出されて驚いた赤ちゃんの「怖いいいいいい」という心の叫びなのかも!? そんなふうに赤ちゃんの気持ちを想像しながら読めるのも、本作の面白さです。
こうして赤ちゃんに転生した和史は、赤ちゃんが感じていること、喜びや不安を、成人男性目線で語っていきます。それによって、「赤ちゃんはどうして泣くのか?」といったナゾ行動の理由も解き明かされていきます。子を持つ親ならずとも、興味深いですよね。