寄崎まりを先生のエッセイ 「鳥さんのトイレ事情について」
ここでは気になっている人もきっと多い、「トイレ事情」についてお話しします。
空を飛ぶための体のつくりが排泄物に影響
鳥さんは漫画にもある通り、空を飛ぶために体を軽くしようと頻繁にフンをします。
飼い主が鳥さんに話しかけた時や、放鳥するためにケージを開けた時など、「これから動くぞ!」というタイミングで必ずフンをします。
ちなみに鳥さんの排泄物をフンと呼んでいますが、実は尿も一緒になっています。
これは、鳥さん特有の体のつくりが理由です。
鳥さんには排泄口というお尻の穴があり、その奥にクロアカというお部屋があります。
クロアカには尿管、卵管・精管、直腸が開口していて、尿もフンも卵も、同じ排泄口から出てくるのです。
鳥さんの尿は、哺乳類と少し違います。
人は体の中の老廃物を水に溶かし、尿として排泄します。しかし鳥さんの場合、老廃物を尿酸という水に溶けない物質にして排泄します。
排泄に水を必要としないので膀胱の必要がなく、その分体を軽く保つことができるのです。
ただし、水をたくさん飲んだ時には、液体の尿をすることも。
なお健康な鳥さんの排泄物は、基本的ににおいはありません。
鳥さんによってはフンをためる場合も
決まった場所で排泄を行う習慣がない鳥さん。
特に小さい鳥さんはトイレトレーニングが難しく、放鳥するとおうちのいろいろなところにフンをしてしまいます。
そんな鳥さんでも、フンをためることがあります。
1つ目は、サザナミインコなどによく見られる「きれい好き」タイプの鳥さんです。
このタイプは、自分のケージを汚したくないのでフンをためて、ケージの外に出た時にまとめて出します。
2つ目は、産卵や抱卵中のメスの鳥さんです。
自分のフンで大切な卵を汚してしまわないよう、同じくケージの外に出た時にまとめて出します。
ちなみに通常のフンと違って"ためフン"は、少しにおうことがあります。
このように鳥さんと私たちでは、トイレ事情もかなり異なります。
なので一緒に暮らすためには「どうしてトイレトレーニングができないの?」と怒るのではなく、体のつくりや理由をきちんと知ることが大切です。