世間では高齢ドライバーによる交通事故が度々報道されているため、「自分の親は大丈夫だろうか?」と不安になることも多いはず。一体どれほどの割合の高齢者が、免許証を返納しようと考えているのでしょうか。
免許証の返納を考えている人は36.6%!
株式会社シニアコムは50歳以上の男女を対象として、「高齢者の自動車運転」に関するアンケート調査を実施。調査結果から、シニア世代が運転免許証についてどんな考え方を持っているのか明らかになりました。
まず普通自動車の運転免許証を持っている人の割合を調べたところ、50歳以上の男女の77.1%が免許を所有しているという結果に。さらに免許所有者に対して「将来、運転免許証の返納を考えていますか?」と尋ねると、36.6%が「返納を考えている」と回答。「返納するつもりはない」と答えた人は33.4%で、ほとんど同じ割合になっています。
運転免許証の返納を考える理由としては、「視力が衰えて夜間運転をするのが怖いため」という回答が48.7%でトップに。続いて48.0%が「自分の運転能力に対して自信がないため」、46.0%が「とっさの判断が遅れるため」と回答していて、安全面から免許証の返納を考える人が多くいるようす。
返納しない理由として最も多かったのは、65.0%を集めた「買い物に行く際に車を使うから」という回答。多くのシニア世代は"実生活で不便になるから免許証を返納したくない"と考えているのか、「荷物の運搬に車を使うから」(45.3%)や「家族の送り迎えに車を使うから」(39.4%)という選択肢にも票が集まっていました。
頭ごなしの説得はNG!
いくら親の身を心配していたとしても、免許証を返納するように説得するのは難しいようす。ネット上では「義母に免許証を返納してほしいと言ったら激怒されて、結局説得するまでに1年かかった」「家族総出で話をして、頑固な親に免許証を返納させることに成功。本当に長い道のりだった...」という声がよく上がっています。
今年2月放送の「おはよう日本」(NHK系)では、高齢者の親を説得するためのポイントが紹介されていました。まずNGなのは、いきなり「運転やめろ」と頭ごなしに伝えること。親と同じ目線に立って、「どうしたら安全に運転できるか」を一緒に話し合うことが大切です。それでも免許を返納するべきという結論が変わらなかったら、親の気持ちを尊重しつつ説得を試みていきましょう。
具体例としては息子や娘ではなく、孫から伝えることで反発を避けられるケースがあるそうです。また親と同じシニア世代がアドバイスすると、聞き入れる可能性がアップすることも。そのほか専用の窓口を設けている警察署などもあるので、家族だけで抱え込まずに相談してみるのもいいかもしれませんね。
文/藤江由美