紫外線がどんどん強くなる時期になりましたね。レジャーで車移動することも多いこの季節。困るのは移動中の紫外線対策です。外にいるなら日陰に避難したり日傘をさすことができますが、車の中ではそうもいきません。それに窓に面して片側だけ焼けてしまうなど、笑えない事態もありえます。そんなことにならないように、車での紫外線対策をご紹介します。
車の中で一番紫外線が入ってこないのは? 意外なところでした!
紫外線と一口に言っても実は1種類ではなく、波長の違いでA波とB波(実はC波も)があります。それぞれ強くなる時期は少しずれているのですが、一般的には5月から8月がもっとも紫外線の強くなる時期だと言われています。日に焼けて皮膚が赤くはれてしまったり、シミの原因になるのも嫌ですが、過度な日焼けは皮膚がんの原因になるとも言われています。
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)の調査によれば、車種や窓によって紫外線のカット率が異なることがわかりました。
まずはフロントガラス。車のフロントガラスは衝突事故時の危険軽減のために、約30年前から「合わせガラス」を装備することが義務化されています。「合わせガラス」とは2枚のガラスの間にフィルムを挟んだもので、割れたときに破片の飛散を防ぐことができます。実はこのフィルムにUVカット機能が備わっているので、フロントガラスはおおよそ90%の紫外線をカットできるようです。一番大きいので、いかにも日焼けしてしまいそうですが意外ですね。
ではフロントガラス以外はどうなのでしょう? これは車種で違いがでるようです。まずは近年、高級車から装備が進んでいる「スーパーUVカットガラス」。紫外線カット率は約99%! このガラスがすべての窓に採用されていれば、特に紫外線対策は必要なさそうです。次に「UVカットガラス」。こちらは紫外線カット率が約90%です。そして最後は紫外線カット機能のない「クリアガラス」です。
ガラスの種類に応じて、カーグッズをうまく使いましょう
もしお持ちの車が、「UVカットガラス」や「クリアガラス」を装備した車であった場合でもご心配なく! 紫外線カットのグッズは、カー用品店で手に入ります。問題はその効果です。
もっともポピュラーな物はサンシェード。そして紫外線カットフィルムと紫外線カット液剤(UVカットスプレー)など。こちらの効果もJAFが調査していて、紫外線のカット率で比較すると、効果がある順に紫外線カットフィルム(97%)、サンシェード(84%)、紫外線カットスプレー(53%)となりました。
この3つには一長一短があって、たとえば液剤タイプは手軽ですが、耐久性が1〜2ヶ月と短命。サンシェードは道路交通法で、後部座席にしか使えません。紫外線カットフィルムも可視光線透過率が70%以上と道路交通法で定められており、夜の視認性も考えるとあまり濃い色の(紫外線カット率の高い)フィルムはおすすめできません。
油断していると夜になってヒリヒリするなど、紫外線対策は頭の痛い問題ですね。ですがあまり過度に紫外線対策をすると、運転に悪影響を与えることにもなりそうです。まずは安全運転が最優先。日焼け止めなどもうまく使って、この季節を乗り切りましょう!
文/長田 小猛