多くの人の財布の中に入っているカードの一つにクレジットカードがあります。最近は、クレジットカード以外に電子マネーなども普及しつつあり、現金以外の支払い手段が増えているのが現状です。そこで、正しいクレジットカードの選び方、使い方について、消費生活ジャーナリストの岩田昭男さんに教えていただきました。
前の記事「2年以上使っていない&年会費分の元が取れていないカードは即整理!/クレジットカード (2)」はこちら。
カード選びで迷ったら
ためたいポイントの有無や支出の振り返りでカードを選びましょう
「そもそも自分にどのカードが向いているのか分からない」という人のために、カードの選び方を紹介します。
「最初に、自分がためたいポイントなどがあるかどうかです」と岩田さん。例えば、ためたポイントで買い物がしたいなら、流通系のカードなどがおすすめです。あるいは、ためたマイルを使って特典航空券にしたいなら「ANAカード」がいいでしょう。ためたいポイントが見当たらない人は、家計簿などを参考に自分がどんなところでお金を使っているか振り返ってみましょう。もし、近所のイオンでよく買い物するなら、イオンなどで出しているクレジットカードを使えば、ポイントや割引の特典を受けることができます。
百貨店で買い物している金額が多い人は、その百貨店でクレジットカードを出していないか確認してみてください。恐らく、現金で払うよりもクレジットカードを利用した方が得です。家計簿もつけていないし、支出を振り返るのも面倒という人は、利用している郵便局や銀行といった金融機関でもクレジットカードが用意されていることがあるので、おすすめです。買い物などに利用すればポイントがたまります。ためたポイントは、例えばゆうちょ銀行の場合、カタログギフトやギフトカード、キャッシュバック、提携先のポイントに交換できます。
クレジットカードは、公共料金の支払いなどにも利用できるので、支払いを集中させればポイントのたまりは早くなります。
2年以上使っていないカードなどは整理の第一候補です
既に財布の中に、何枚もクレジットカードが入っているし、入り切らないものは、家の引き出しに入れたままになっているという人もいるでしょう。
そこで、クレジットカードを整理するためのチェックリストを紹介します。岩田さんからは「一つでも当てはまる場合は、そのカードは処分してもいいカードです」とのアドバイスがありました。
例えば、たまたま行ったお店で買い物したときに、クレジットカードをすすめられ、断り切れずに手続きして持つことになったケースです。「そのお店で使えばより多くのポイントが付くようだけど、あまり行く機会がないので、ほとんど使っていない」という場合は、整理した方がいいでしょう。加えて、年会費が取られているのであればなおさらです。また、ポイントを交換したことがない場合、交換できるほどポイントがたまらない、あるいはポイントがたまりにくいカードと言えるかもしれません。
一般的に、ポイントには有効期限があるので、交換し忘れていると失効することがあります。また、気を付けたいのが整理のし過ぎです。持っているカードを全て解約すると、いざというときに困ることがあるので注意してください。
取材・文/金野和子
消費生活ジャーナリスト。クレジットカードについて30年近く取材・研究を続けている。『Suicaが世界を制覇する』(朝日新書)など著書多数。