今、あなたは「たまった仕事」に苦しめられていませんか? 「たまった仕事」=「仕事の渋滞」は、人の「心」の働きを理解すること、つまり 「心理学」的なアプローチですべて解消できるのです。
書籍『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』で、あなたの「たまった仕事」を一掃し、「仕事の渋滞」を解消して、毎日スッキリ会社に通えるようになりましょう!
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1日の終わりに「処理トレイ」を空っぽに
「仕事の処理トレイ」に《今日やる分のすべての仕事》をかき集め、これを処理しきれば、仕事もメモもメールも郵便物も滞留せず片づいていきます。
それでは、その「処理トレイ」を用意するタイミングは、いつでしょうか?
非常に理想的なことを言えば、退社直前です。つまり、翌朝出社してからやることを、前日の夜に用意し終えておくのが、理想的です。朝に出社したら、その日にやるべきすべてのことが一元化されて整えられていて、後はそれをひたすらやっておけばいい、という状態にしておくわけです。
が、現実にはそこまでうまく回らないでしょう。やはり、「当日の朝にきたメール」を「当日中に」処理しなければならないことが多いでしょうから、その場合には「処理トレイ」を朝の最初に用意することになります。そのあたりが現実的でしょう。
先に、順繰りに「受信トレイ」をチェックする方法について述べましたが、そのすべてを朝の最初に見て回って、「今日中に」処理しなければいけない案件はすべて、「処理トレイ」に移動してしまいます。
ここで強調いたしますが、今日中にやらなくてもいいような案件を、「処理トレイ」に移動するのはよくありません。
前倒しは一見理想的ですが、そこまで余裕のある人は、今どきめったにいません。とにかく今日やるべきことをすべて今日終わらせることに徹します。「処理トレイ」を1日の終わりに空っぽにすることが大事です。「受信トレイ」の順繰りのチェック→「処理トレイ」を空にする、という流れを徹底すれば、仕事はまずたまっていかないはずです。
「処理トレイ」が空っぽにならないときは?
1日の終わりがきても、その日中にやらなければいけない仕事がどうしても終わりきらないならば、どこかに問題がありますから、それに対応しなければいけません。この場合、問題はきわめてシンプルです。
1 本当はその日中に終わらせなくてもいいものまで「処理トレイ」に入れてしまっている2 能力に比して、割り当てられている仕事の量が多すぎる
たいていの人は、すぐに問題を「2」のせいにしてしまいがちです。そして、もっと多くの人は、「自分の仕事のやり方が悪いせいだ」と思うのです。
これは思い違いもはなはだしいし、非常によくないことです。そもそも、「仕事の処理能力」というのは相対的なものであり、「神のような超人ビジネスパーソン」であっても、その人に処理しきれない量の仕事を回せば、かならず破綻します。10人分なら処理できても、100人分は無理でしょう。
まずは仕事をこなせるシステムを完成させて、処理能力以上の仕事が回っているかどうかを明らかにすることが必要です。しかしその前に、何より「1」の可能性を疑うべきです。「今日中」でなくていいこと、明日以降でもいいことを「処理トレイ」に入れてしまっていないか?「今日中に処理が必要なことだけを〈処理トレイ〉に」。 このルールを守らない限り、そもそも1日分の自分の仕事の処理能力というものがいつまでも分かりません。それだと、いざというときに大きな仕事を引き受けていいのかどうか判断できず、困ったことになるでしょう。また、自分の処理能力が分からない人は、周囲からも、「できる人」と思ってもらえません。そういう意味で損をしてしまいます。
まずは「1」の、本当はその日中に終わらせなくてもいいものまで「処理トレイ」に入れてしまっていないか。そうなっていたら、確実に1日分だけを仕事の処理トレイにまとめるように努めることです。それでも毎日毎日、「仕事の処理トレイ」に仕事が残ってしまったら、そのときは上司などと相談して、仕事量の調整を行うべきです。
心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)の他に『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(KADOKAWA)、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)など。また、共著に『iPhone情報整理術』(技術評論社)がある。
『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』
(佐々木正悟/KADOKAWA)
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