増加する高齢者の「自転車」事故。原因は意外にも「自動車」が関係していた?

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昨年12月、自転車の安全利用促進委員会が、2015年の高齢者の自転車事故とその傾向について調査・分析したレポートを発表しました。

その結果、65歳以上の高齢者による自転車事故の件数は19,510件。やはり身体能力の衰えにより、事故に繋がるケースが目立つようです。そんな中、電動アシスト自転車がお年寄りでも楽に乗れると人気を集めています。

高齢者の事故が多い原因とは?

そもそも、なぜ高齢者の自転車事故が注目を集めているのでしょうか? それには、意外にも自動車が関係しています。高齢になり、車の運転に自信がなくなったという理由で、高齢者が自転車を利用する機会が増えているのです。同時に、加齢によって身体機能が全体的に衰えたことで、運転にミスが生じやすくなり、「高齢者の自転車運転は、事故が多く危険」というイメージが生まれていると考えられます。

しかしながら、事故全体に占めるミスの割合は、非高齢者が66.7%。高齢者は65.6%と、実際は高齢者のほうが若干低い割合になっています。実は、高齢者の運転は慎重なことが多く、注意を怠って起こるミスは、非高齢者のほうが多いのです。いっぽう高齢者は、注意していても身体能力が衰えていることにより、「身体が意識に追い付かず」事故が生じています。そのため、結果として高齢者、非高齢者ともに同じような運転ミスの割合になっているとようです。

圧倒的!出合いがしらの事故多発

高齢者の自転車事故の態様で、ほかの世代と同じく多いのが、出合頭に起こる事故です。これが群を抜いて高く、53.1%の割合となっています。これは、高齢による認知ミスも大きな原因の1つになっており、安全確認や一時停止などのルールを守って慎重に乗ることが、事故を防ぐための有効な予防策になりそうです。

img_145345_1.jpg自転車の安全利用促進委員会「高齢者の自転車事故実態調査」より

ハンドル操作ミスが2.5倍、転倒にも注意!

高齢者の事故においては、ハンドル操作ミスの割合が、ほかの世代に比べると約2.5倍と非常に多くなっています。この原因は、視覚が衰えたことによる認知ミスや、バランス感覚・運動神経が低下したことによる操作ミスなどです。このせいで、ハンドル操作を制御できなくなったり、意識とは別の方向にハンドルを切ったりしてしまうのです。


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自転車の安全利用促進委員会「高齢者の自転車事故実態調査」より

高齢者の場合、人や物が相手の事故だけではなく、転倒にも注意が必要です。全転倒事故1,320件のうち、半数近い45%が高齢者の転倒事故になっています。また、全転落事故175件についても、約半数が高齢者です。ひとりだから、周囲に障害物がないからといって、油断しないようにしたいですね。

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自転車の安全利用促進委員会「高齢者の自転車事故実態調査」より

電動アシスト自転車が便利

ほかの世代に比べて、高齢者の利用率が高いのが、電動アシスト自転車です。自動車の運転免許自主返納を促進する動きもあり、今後はますます高齢者の生活の足となって増えることが予想されます。

実は電動アシスト自転車は、高齢者に多い事故を防ぐためにも推奨されています。その特徴の1つに、低速時でもふらつきが少ないため、ハンドル操作ミスの防止に役立つのです。また、力を入れてこがなくても簡単に発進でき、一度停止をしたり信号を待ったりといった、ルール遵守をしやすい点もおすすめの理由の1つです。

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自転車の安全利用促進委員会「高齢者の自転車事故実態調査」より

安全性の高い自転車を選び、体の衰えに気を配ろう

電動アシスト自転車は便利ですが、最近では製品の安全性にばらつきがあることがわかってきました。中にはアシスト比率が道路交通法の基準を超える自転車もあり、警察庁から注意が喚起されています。

より安全な自転車を購入するために、活用したいのが『BAAマーク』です。これは、自転車安全基準の90か所の検査項目に合格した証明で、安心できる製品を選ぶ際の目安になります。自治体によっては、この『BAAマーク』の付いた自転車を補助金の条件にしているところもありますので、ぜひ活用してみてください。

img_145345_8.jpg自転車の安全利用促進委員会「高齢者の自転車事故実態調査」より

自転車事故は、決して他人事ではありません。身近な乗り物であり免許もいらないからこそ、気をつけて乗らなくてはならないのです。高齢者の家族が自転車を利用する場合は、身体の衰えに気を配り、乗る自転車も良いものを選んで、事故を防ぐようにしたいですね。

文/今野菜美

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