精神衛生の為の2ワード。「適当」の技術とは? /ほっといて欲しいけど、ひとりはいや(3)

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残念な人たちに失望させられること数知れず。

もちろん、これが自分にだけ起こる特別なことでないことは知っている。

それでも、毎日のようにニュースやSNSから聞こえてくる、人類愛を消滅させるような重い出来事にさらされていると、しまいには人を嫌いになる瞬間にぶち当たることになる。

一種の人間アレルギーが出る感じとでも言おうか。

自分でも到達できない、過度に理想主義的な期待をまわりの人たちと世の中に抱いていたせいもある。

新しい人と出会ったとき、私たちはありのままの姿を見るより、そこに幻想と期待を上乗せする傾向があるから。

もちろん、そういう肯定的な態度が悪いわけではない。

ただ、関係を続けていく中で生まれる漠然とした期待と現実とのギャップを埋めるために、この2つだけは覚えておくと精神衛生によい。

「へぇー、そうなんだ」と「イヤなら別にいいけど」。

理解しがたい状況や他人を謙虚に受け入れ、かつ、対等な立場で自分の意見を伝えるための、私なりの対処法だ。

この2つさえ覚えておけば、変な人に出会っても(もちろん「変」の程度によっては時間がかかるだろうが)心を楽に保つことができる。

健全な関係のための「適当」の技術

誰かに失望したときや、満足のいく結果にならなかったときは「へぇー、そうなんだ」とやり過ごし、意見を言わなくてはならないときは「イヤなら別にいいけど」という盾を準備しておこう。

人類愛の消滅寸前の段階で自分の心を救い出す方法は意外と簡単。

【次回】面倒臭がり測定器。人間関係のリトマス紙とは? /ほっといて欲しいけど、ひとりはいや (4)

【まとめ読み】『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや』記事リスト

ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。.jpeg日韓で多くの共感を呼んだ著者が語る、人間関係に疲労した人のためのデトックスエッセイ。疲れた心のお守りになる一冊です。

 

ダンシングスネイル
著書に、長年の無気力症克服の記録を綴った『怠けてるのではなく、充電中です。』(CCCメディアハウス)があり、日本、台湾、タイ、インドネシアなどで翻訳出版された。『死にたいけどトッポッキは食べたい』(ペク・セヒ著、山口ミル訳、光文社) 、『ねこの心辞典』(未邦訳)など多数の本のイラストも描いた。

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『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。』

(ダンシングスネイル(翻訳:生田 美保)/CCCメディアハウス)

大人になった私たちに必要なのは、人にもたれかからない、適当な距離。私が望み、選んだ、健康的な関係。日韓で多くの共感を呼んだ著者が語る、人間関係に疲労した人のためのデトックスエッセイ。

※この記事は『ほっといて欲しいけど、ひとりはいや。』(ダンシングスネイル(翻訳:生田 美保)/CCCメディアハウス)からの抜粋です。
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