トラブル発生! そのとき問題をシンプルにして考えることができるか?/2軸思考

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「頭の中がごちゃごちゃで、仕事が前に進まない」「次から次へと問題が起こってスケジュールが遅延している」...こうした複雑な問題を一瞬でシンプルにしたいなら、紙に、2本の線を引いてみてください。

本書『2軸思考』で、あらゆる問題をタテとヨコの2軸で整理して考える方法を学び、最速の時間で最大の成果をあげていきましょう! 今回はその3回目です。

◇◇◇

前の記事「2軸思考は感覚や思いつきで仕事をしている人にこそ有効/2軸思考(2)」はこちら。

 

トラブルに慌てる人と的確に行動できる人の差

「木部さん、問題が起こりました! なんとか期限までに間に合わせたいのですが、どうしたらいいでしょう?」

メンバーが慌てた様子でプロジェクトマネジャーである私のところに相談にやってくる......。私の携わっているシステム開発では、よくある光景です。

トラブルや緊急事態というのは、それが複雑であればあるほど、困難であればあるほど、その人の仕事の本質が問われる場面です。こうした究極の局面で慌ててパニックになってしまう人と、落ち着いて対応してトラブルを解決に導ける人とでは、いったい何が違うのでしょう?

生まれ持った頭の良さでしょうか?
あるいは経験の豊富さでしょうか?

もちろんそういったことが違いになることもありますが、一番大切なポイントは、「ロジカルに考えているかどうか」です。さらに具体的に言えば、「問題の全体を俯瞰して捉えているか」「複雑なことを、シンプルにしてから考えているか」ということです。

 

頭がいい人とは、複雑な問題をシンプルにできる人

どんなに難しい仕事も、基本的な仕事の応用形、変化形でしかありません。絡み合った物事をシンプルにして問題の本質を見抜くことができれば、おのずとその解決策を見つけることができます。

本当に頭のいい人というのは、複雑な問題を複雑なまま解くことができる人ではなく、複雑な問題を誰でも解けるくらいの簡単なレベルまで分割できる人なのです。

たとえば、突発的なシステム障害が起こった場合。チームの様子を観察していると、慌ててしまう人と的確に行動できる人の差が、明らかに見てとれます。

混乱した状況について「複雑なまま考えている」人は、目の前のトラブルに慌ててしまい、「あれをしなきゃ、これをしなきゃ」と思いつきで動き、対応に余計な時間がかかってしまいます。ときには、さらなる障害を引き起こしてしまうこともあります。こういう人は「木部さん、トラブルです!」と報告が素早いわりに、「で、問題は何なの?」と聞くと整理して答えることができません。

一方で「全体を俯瞰し」「問題をシンプルにしてから考える」ことができる人は、5分でも10分でも立ち止まって、ホワイトボードに全体像、原因、やること、担当者などを冷静に書き出し、情報を整理してから問題に取り掛かります。

たとえばシステム障害のトラブル対応であれば、図0-1のようにやるべきタスクと時間と担当を先に洗い出し、整理してから動き始めます。

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立ち止まることの大切さ

ちょっとしたことですが、慌てずにこういう行動ができる人は、よりスムーズに、しかも最短の時間でトラブルを解決できています。なぜなら、動き出す前に情報をシンプルに整理し、可視化することで、結果的にやるべき作業の総量が激減するからです。

慌てて見切り発車をするよりも、5分、10分立ち止まったほうが最短ルートを見つけられるので、より早くゴールにたどり着けるのです。

突発的なトラブルが発生したとき、私はプロジェクトのメンバーに「走るな!」とか「手を止めて、まずはしっかり考えろ!」と指示を出すことがあります。走って急いで稼げる数秒よりも、まずはしっかりと考えてから動くほうが結果的に早いということを経験上、知っているからです。

 

次の記事「「これお願い」と頼まれた仕事にすぐ手を付けるのはハトと同じ/2軸思考(4)」は近日公開。

木部 智之(きべ・ともゆき)

日本IBMエグゼクティブ・プロジェクト・マネジャー。横浜国立大学大学院環境情報学府工学研究科修了。2002年に日本IBMにシステム・エンジニアとして入社。入社3年目にしてプロジェクト・マネジャーを経験。その後、2006年のプロジェクトでフィリピン人メンバーと一緒に仕事をする機会を得る。2009年に役員のスタッフ職を経験し、2010年には 最大級の大規模システム開発プロジェクトにアサインされ、中国の大連への赴任も経験。日本と大連で500人以上のチームをリードしてきた。プロジェクト内で自分のチームメンバーを育成するためにビジネススキル講座を始め、そのコンテンツは社内でも評判となった。著書に『仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?』(KADOKAWA)がある。

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『2軸思考』
(木部智之/KADOKAWA)


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