マジック3「上下関係が入れ替わる!?お札下剋上」とは?
2枚のお札をT字型に重ねます。お札をくるくる巻いていき、おまじないをかけてから開くと、最初に上にあったはずのお札が、なぜか下に! 2枚の上下関係が入れ替わっています。
●難易度・・・簡単
●演技時間・・・約1分
マジック3「上下関係が入れ替わる!?お札下剋上」のタネあかし!
12枚のお札を写真のようにT字型に並べます。Tの縦の棒になっているお札(写真では千円札)が上に重なるようにしてください。
2観客に、上になっているお札を指で押さえてもらいます。
「いま、押さえているお札が上にありますよね?」と、必ず状況の確認をしてください。
32枚のお札を丸めていきます。お札の長さの3分の2ほど巻いていくと、自動的に2枚の上下関係が入れ替わります。写真は解説のためにお札の境目を見えやすくしていますが、実際には境目が見えないように、両手を真ん中に寄せるようにして巻いてください。
4指を鳴らす、息を吹きかけるなどのおまじないをかけます。
おまじないはどんなものでもかまいませんが「何かが起きた」ことを印象づけるために、必ず行うようにしてください。
5ゆっくり開いていくと、観客の押さえているお札が下側にきています。
そのまま開いていくと、最初のT字型とは位置関係がずれてしまうので、上になったお札(一万円札)を少し自分側に引きながら広げるようにしましょう。
☆このマジックを千円札と一万円札で行う場合は、次のような演出も楽しめます。2枚を写真のようにL字型に重ねます。こうすると、千円札の人物(野口英世)の顔が見えており、一万円札の人物(福沢諭吉)の顔は隠れています。
「いま、野口さんが上ですよね?......ところで、福沢諭吉さんの『学問のすすめ』という本で、有名なフレーズがありますよね。そう、『天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず』」です。いま、福沢さんは「下」にいますが......」
ここでお札を巻いてから、再び開くと、福沢諭吉の顔が現れます。
「ちゃんと上にくるんです!」 最初にL 字型に重ねておくと、マジックの前後で見える人物の顔が変わるので、位置関係の変化もハッキリ伝わります。
※このセリフのアイデアは、プロマジシャン・長谷和幸氏によるものです。
【魅せ方のポイント】
状況をはっきりさせてから進める
ただお札が入れ替わるだけのマジックですが、実際にやってみるとかなり不思議に見えます。ぜひお試しください。
ただし、物の位置が入れ替わる現象を理解するためには「まず最初はどういう状況だったのか」を、観客にしっかり確認してもらうことが大変重要です。ここをあやふやにしてしまうと、せっかく場所が入れ替わっても、見ている側にはその差が理解できません。必ず最初に「どちらのお札が上にありますか?」と確認しましょう。
日向 大祐(ひゅうが・だいすけ)
マジックエアリスト。東京大学工学部卒、同学大学院環境学専攻修士。観客の目の前で見せるクロースアップマジックを中心に、会員制レストランや企業パーティー等で活躍。2009年、イギリスで開催された「Blackpool Magic Convention」にて優勝、日本人初の欧州チャンピオンに輝く。同年、マジックのオリンピック「FISM」日本代表。
ちょっとした「タネと仕掛け」で絶対盛り上がる手品を21個収録。マジックを成功させるのに必要な「人の心をつかむコツ」などもしっかり解説。誰でもすぐに実践できます!