年に2万円ヘソクリしただけで怒るダンナさんって...(笑)/夏川結衣インタビュー(2)

07051808.jpg5月25日(金)公開の映画『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』で、三世代が同居する平田家を切り盛りする主婦・史枝を演じている夏川結衣さん。史枝の家出は今回の大事件ですが、その原因となる夫・幸之助に思うこと、そしてシリーズ3作目を迎えた『家族はつらいよ』シリーズの撮影現場について、さらには夏川さんの体調管理の秘訣も伺ってみました。

前の記事「夏川結衣インタビュー(1)「これは専業主婦が皆、抱えている思いだと思いました」」はこちら。

 
史枝さんの夫、幸之助さんは小さい!?

――この映画では、夏川さん演じる史枝さんが長男の妻で、義理の両親と子どもたち、3世代で暮らしています。そこに、夫の妹弟夫妻がたびたびやってくるわけですが、人がたくさん出入りする中、史枝さんは常に台所で誰かのために手を動かしています。

夏川 主婦って本当にそうですよね。前に出ずとも、全員のことを常に把握していて。それが家族をまとめるうえで、すごく大事なんだと思うんです。監督も「史枝という役はすごく大事なんです」とおっしゃっていて。スポットが当たっていなくても、史枝はいつもそこにいるんですよね。「喋らなくても、何かしら手を動かして、いつも誰かの世話をしている。その居方が大事だから、よく考えなさい」というのは、シリーズ1作目から言われていました。

 

――そんな史枝さんが、今回の作品で家出をするわけですが、原因が夫の幸之助さん(西村まさ彦)なんですよね。

夏川 そうなんです(笑)。史枝のへそくりが明らかになった時、幸之助さんが史枝に言う一言が原因なのですが、専業主婦が一生懸命貯めたお金について、そこまで言わなくてもいいじゃないかと、台本を読んでいてもフツーに思いました。計算すると、年に2万円くらいずつのへそくりなんですよ(笑)。だって年に2万円ぐらいなんですよ。きっと西村さんも「小さいな、幸之助って」って思いながらやっていらっしゃったと思います。何分、役なのでね(笑)。

 

――(笑)

夏川 でも、さっき男性記者の方に「やっぱり自分のお給料を黙って奥さんにヘソくられていたら、ショックですか」って聞いてみたら、「そうですねぇ...ちょっと」っておっしゃっていたので、そうか......と(笑)。逆に、年に2万円も貯められるほど、よくやりくりしてくれているなと、なぜ思えないのか(笑)。でも、幸之助さんみたいな人、多いんだと思います。試写の時の男性の反応を聞いても、何かしら幸之助さんに近い反応がありましたし、周りの人に聞いたら、平田家みたいに、旦那さんがお金を管理しているというお家もわりとありましたから。

 

07051807.jpg史枝役の夏川結衣さん(左)と、夫・幸之助役の西村まさ彦さん

 
自由だけど、まとまっている。家族みたいな撮影現場

――撮影現場は、自由だと伺ったのですが。

夏川 自由です(笑)。橋爪さんも吉行さんも、現場に来たら皆、キャリアに関係なく、一俳優でしょっていう方々なので、すごくありがたくて。それに甘えているところもあるんですけれど、皆さん、舞台や落語や......それぞれの分野でプロ意識の高い方々なので、撮影中はすごい集中力ですけれど、あとは本当に自由ですね。

 

――すごい集中力とおっしゃると?

夏川 撮影中は、監督が他の俳優さんに演出していることを、皆が聞いているんです。それはスタッフの方もそうで、物音ひとつ立てずに、監督がいま何を求めているかに全員が神経を向けていて。でも、一旦そこから離れると、本当にバラバラです(笑)。本を読んでいる人もいるし、編み物している人もいて......でもただ、誰が何をやっているかは、なんとなく把握しているんですよ。

 

――夏川さんは、どうされているんですか?

夏川 私は録音部さんのスタッフの方々とよく一緒にいます。椅子もおいてあるんですよ(笑)。そこに蒼井(優)さんが来たり、中嶋(朋子)さんが参加したりして。どこにいなきゃいけないというのもないし、本当に楽なんです。でも、家族ってそういうものじゃない?って。この間、現場でそういう話をしたんです。いちいち誰がどこにいるかチェックしないけれど、安心していられる。皆がそこにいるという感覚だけでいいって。その感覚に、この現場はとても近いです。

 

――撮影が続くと、体力的にもハードだと思うのですが、何か心がけていることはありますか?

夏川 最近、体を温めることが大事だなと思っています。手足の指先をマッサージするようにしたら、やはりすごくいいみたいです。私、ハンドクリームとかボディクリームとか一切塗らなかったんですけど(笑)、手足の指先は塗るようになりました。

 

――温めるのは、大事ですよね。

夏川 あとはストレスを溜めないことですよね。撮影をしていると、スタジオにこもりますし、人が相手のことだから、なかなか難しいですけれど、ちょっと肩を回したり、さっきの話じゃないですけれど、手足の指先をマッサージしたりするだけで、何かちょっと気分は変わるような気がします。あとは食べ物ですね。ロケ弁ばかりだと、栄養も偏りがちで、どうしてもストレスが溜まるので、温かいお味噌汁とか、いいなと思います。ストレスは誰にとっても切り離せないですもんね。これをしたら10分後には回復するっていうものがあればいいんですけどね(笑)。

 

取材・文/多賀谷浩子

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夏川結衣(なつかわ・ゆい)さん

熊本県出身。モデルを経て、94年の『夜がまた来る』で映画初主演。その後もTVドラマ「青い鳥」(97)や「結婚できない男」(06)などの話題作に出演。『孤高のメス』(10)で日本アカデミー賞助演女優賞受賞。そのほかの映画出演作に『歩いても歩いても』(08)、『64―ロクヨンー前編/後編』(16)など。山田洋次監督作は『東京家族』(13)にも出演している。

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』

監督・脚本・原作:山田洋次 

出演:橋爪功、吉行和子、西村まさ彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優 他
配給:松竹 2018年 日本 123分
©2018「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」製作委員会

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