マジック8「私の「アドレス」教えます!ブレインウェーブアドレス」とは?
名刺を8枚取り出し、観客に1枚だけ「ピンときた」名刺を選んでもらいます。残りの7枚の裏を確認していくと、すべての名刺にメールアドレスが書かれていますが、観客の選んだ名刺を裏返すと、その1枚だけマジシャンの家の地図が描かれています。
●難易度・・・簡単
●演技時間・・・約1分
マジック8「私の「アドレス」教えます!ブレインウェーブアドレス」のタネあかし
【準備】名刺8枚のうち、4枚の裏面にメールアドレスを印刷します。残りの4枚には自宅の簡単な地図のイラストを印刷しておきます。名刺に直接印刷するのが難しければ、別の紙に小さく印刷したものを、切って貼り付けてもよいでしょう。2種類が交互になるように重ねて、裏面が見えない向きに名刺入れに入れておきます。
18枚をまとめて取り出し説明します。「名刺が何枚かありますが、この裏はまだ見せません。この中から『ピンと来た』1枚を選んでもらえますか? 直感でいいですよ」
名刺を扇状に広げて、観客に選ばせたら、まだ裏は見ずにテーブルに置いてもらいます。
2観客が選んだ名刺より上側に残った名刺と、下側に残った名刺の上下関係を入れ替え、左手にまとめて持ちます。
3先ほどの2の操作が終わると、観客が選んだ名刺が「地図」の場合、手元の7枚は図のようにメールアドレス・地図・メールアドレス・地図......と交互になっているはずです。もちろん、この状態は観客には見せないように。
4「選ばれなかった名刺の裏を先に見せますね」と言い、一番上の名刺1枚を右手に取ります。
5右手と左手を同時に、手首を返すように動かし、2枚の名刺の裏を見せます。どちらの裏面にもメールアドレスが見えるはずです。
左手は人差し指を伸ばす、もしくは写真のように横にどけると、裏面がよく見えます。
6両手首を元に戻し、右手の名刺をテーブルに置きます。左手は、持っている束の一番上の名刺1枚を親指で押し出し、先ほど右手で置いた名刺の上に重ねます。
7引き続き、4~6の操作を2回繰り返します。最後に残った1枚の裏面を見せて、テーブルの上の山に重ねます。
ここまでの操作は正確に、焦らず行ってください。4~7で10秒ほどです。正しく行うと、観客は7枚とも同じものが書いてあったように錯覚します。
8「どの名刺にも私のメールアドレスが書いてありますね。ところが......」
ここで観客の選んだ名刺を表向きにします。「あなたが選んだ名刺を見ると......これだけはうちの地図が描いてあるんです!」
9「特別な1枚を引きましたね! すばらしい直感です。よかったら今度うちに遊びに来てくださいね!」などと言って締めくくります。
可能なら、そのまま名刺をプレゼントして終わります。
※1で観客が「メールアドレス」の書いた名刺を選んだ場合、4~7の操作を行うと残りの7枚の裏がすべて「地図」に見えるはずです(最初の準備さえ間違わなければ、自動的にそうなります)。
その場合は「どの名刺にも地図が描いてありますが......あなたが選んだ名刺だけ、メールアドレスが書いてある特別な名刺です。よかったらメールくださいね!」などとセリフが変わります。
どちらのケースになっても、初めからそういうマジックであったように、さらりとセリフを言えるように練習してください。
※ここでは8枚の名刺を使用するものとして解説しましたが、原理上は偶数枚であれば何枚でも実演可能です。
また、裏面に書く2種類のイラストも、もちろん何でも演じられます。ご自分のキャラクターや状況に合わせてカスタマイズしてお楽しみください。
【魅せ方のポイント1】
ポジティブに反応する
このマジックを演じた後、観客に「確率的に希少なものを選んだ」かつ「喜ばしい結果である」と感じさせるために、ポジティブに反応しましょう。「すばらしい直感ですね!」などと相手の選択をほめ、なおかつ自分にとっても嬉しい結果だという表現をします。
実際には2通りの結果のどちらにもポジティブに反応するわけですが、そんなことはおくびにも出さず、観客の選択が奇跡であることを強調しましょう。
日向 大祐(ひゅうが・だいすけ)
マジックエアリスト。東京大学工学部卒、同学大学院環境学専攻修士。観客の目の前で見せるクロースアップマジックを中心に、会員制レストランや企業パーティー等で活躍。2009年、イギリスで開催された「Blackpool Magic Convention」にて優勝、日本人初の欧州チャンピオンに輝く。同年、マジックのオリンピック「FISM」日本代表。
ちょっとした「タネと仕掛け」で絶対盛り上がる手品を21個収録。マジックを成功させるのに必要な「人の心をつかむコツ」などもしっかり解説。誰でもすぐに実践できます!