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マジック7「手で名刺を印刷!?ハンドプリンター」とは?
名刺入れから名刺を2枚取り出しますが、どちらも両面が真っ白です。しかし、マジシャンの手の中をくぐらせると......なんと一瞬で印字されて、本物の名刺になってしまいます!
●難易度・・・簡単
●演技時間・・・約1分
マジック7「手で名刺を印刷!?ハンドプリンター」のタネあかし
準備1裏面が白い名刺を2枚用意し、印字されている面同士を両面テープ、またはのりで貼り付けます。これにより、両面が白い1枚の名刺が出来上がります。以下の説明ではこの名刺を「白紙」と呼びます。
準備2白紙をいちばん下に置き、その上に本物の名刺1枚を裏向きに置きます。この2枚をこの順序で名刺入れなど、取り出しやすいものに入れておきます。
1名刺入れを開くと、用意しておいた名刺の白い面が見えます。名刺を2枚とも取り出し、写真のように右手で持ちます。上に重なっているのが本物の名刺、白紙がその下です。
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22枚を揃えて持ったまま、手首を手前にひねり、裏側の白い面を見せます。
その後、手首を元に戻します。
「あれ......? すみません......」
何かがうまく行っていない、という雰囲気を漂わせます。
3上側の1枚(本物の名刺)だけを左手に取ります。
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4右手には白紙だけが残ります。白紙だけを右手でつまんだまま、②と同じように手首を手前にひねり、元に戻します。
「おかしいな......」
ここまでの動作で、観客は2枚とも両面が白紙であるかのように錯覚します。速く行う必要はありません。ゆっくり堂々と行ってください。②~④で3秒くらいです。
5「失礼しました。ちょっとお待ちください」と言いながら、右手の白紙をポケットにしまいます。左手に残っているのは本物の名刺で、いま印字面が下を向いています。
6名刺を載せた手をひっくり返します。名刺が落ちないように、軽く握るようにします。
「私の名刺は......」
7左手親指で名刺を押すようにすると、左手拳の外側から名刺が出てきます。手を通過することで字が印刷されたように見えます。
「こちらです! 印刷したての新品ですよ」
相手に名刺を渡して終わります。
※以上のやり方だと印刷できる名刺は1枚だけですが、渡したい相手が2人いる場合は、「準備2」で白紙の上に置く名刺を2枚に増やせばよいのです。その場合、先ほどは②→③→④と行った流れを、②→③→②→③→④と行えば、3枚の両面がすべて白いように見せることが出来ます。右手に残った白紙はポケットにしまいます。左手に残った2枚が本物の名刺です。1枚ずつ印刷していってもいいですし、2枚を揃えていっぺんに印刷しても面白いでしょう。さらに枚数が必要な場合も、同様に増やして行ってください。ただし、滑りの良い名刺を使うようにしてください。
【魅せ方のポイント1】
ピンチを演出する
このマジックでは、名刺を渡そうとしたら白い紙ばかりという、ある種の「ピンチ」に陥ります。そんな状況からスタートポイントための成功させるするからこそ、名刺を印刷するという鮮やかな逆転が際立つのです。
ピンチを切り抜けてハッピーエンドというのは、ドラマや映画では王道の筋書きで、このマジックも似たような流れですね。ただし、扱うものが名刺という小さなものですから、大げさな演技をするとわざとらしく見えてしまい逆効果です。あくまで「ちょっとした失敗をしちゃった」程度に反応しましょう。
日向 大祐(ひゅうが・だいすけ)
マジックエアリスト。東京大学工学部卒、同学大学院環境学専攻修士。観客の目の前で見せるクロースアップマジックを中心に、会員制レストランや企業パーティー等で活躍。2009年、イギリスで開催された「Blackpool Magic Convention」にて優勝、日本人初の欧州チャンピオンに輝く。同年、マジックのオリンピック「FISM」日本代表。
ちょっとした「タネと仕掛け」で絶対盛り上がる手品を21個収録。マジックを成功させるのに必要な「人の心をつかむコツ」などもしっかり解説。誰でもすぐに実践できます!