マジック3「スリル満点!ビルペネトレーション」とは?
お札を紙とともに折り、ペンで真ん中を突き刺します。ペンを抜き取ると、紙には穴が開いていますが、お札に開いたはずの穴は見事にふさがっています!
●難易度・・・簡単
●演技時間・・・約1分
マジック3「スリル満点!ビルペネトレーション」のタネあかし
1お札と紙を用意します。紙はレシートや紙ナプキンなど、薄手のものにしてください。
2お札と紙を交差させます。
3お札を左右から折ります。
4全体を半分に折ります。
5中を開き、ペンを写真のように、お札と紙の間に差し込みます。この動作が観客に見えないように、あまり開き過ぎないように注意しましょう。慣れると、開かなくても手探りで差し込めるようになります。
6ペンを押すと、ペンの先が突き出てきます。ペンがお札の下に入っていることが、右脇から見えないように気をつけましょう。右側に観客がいるときは、★の側を床に向けるなど、工夫をしてください。
7さらにペンを押し込み、抜き取ります。観客にペンの先を持ってもらい、抜いてもらってもよいでしょう。
8お札と紙を開きます。穴の部分は親指で隠しておきます。
9お札の真ん中を押さえたまま紙だけを示し、穴が開いていることを見せます。
10お札の真ん中を軽くもんでから、押さえている指をどけ、穴が開いていないことを示して終わります。
【魅せ方のポイント1】
危険を演出する
お金を使うマジックは、ただでさえ興味を引きやすいものです。このマジックではさらに、お札に穴を開けるという「危険」を冒しています。もちろん実際にはお札は傷つかないわけですが、折り方の巧妙さも手伝って、このマジックのスリルは抜群です。ペンを貫通させる直前に、緊張した表情を見せるなど、演技も工夫するとさらにリアルになります。
人は本能的に危険なものに注目する傾向があるようです。観客の注意を引きたいときや、プレゼンテーションに変化をつけたいときに、スパイスとして、スリリングな要素を入れてみるのもいいかもしれません。ただし、やりすぎにはご注意を。
【魅せ方のポイント2】
クライマックスの前に、ためる
最後にお札を示す前に、明らかに紙には穴が開いていることを、まず確認させましょう。その後に一番見せたいこと、すなわちお札に穴が開いていないことを示すのです。いっぺんにお札と紙の両方を示してしまうと、焦点が分散してしまい、観客の反応が鈍くなります。
本当に大事なことを示す前には、少しだけ間を取ってためると、非常に分かりやすく反応しやすいプレゼンテーションになります。
日向 大祐(ひゅうが・だいすけ)
マジックエアリスト。東京大学工学部卒、同学大学院環境学専攻修士。観客の目の前で見せるクロースアップマジックを中心に、会員制レストランや企業パーティー等で活躍。2009年、イギリスで開催された「Blackpool Magic Convention」にて優勝、日本人初の欧州チャンピオンに輝く。同年、マジックのオリンピック「FISM」日本代表。
ちょっとした「タネと仕掛け」で絶対盛り上がる手品を21個収録。マジックを成功させるのに必要な「人の心をつかむコツ」などもしっかり解説。誰でもすぐに実践できます!