人との絆を絶やさない キルト作家・キャシー中島さん(3)

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家庭では妻として、母として、おばあちゃんとして家族と向き合い、キルト教室では、先生として生徒さんたちと相対するキャシー中島さん。まわりにいる大勢の人たちとどんな風に付き合い、良好な関係を築いているのでしょう? 人のつながりについて聞きました。

会いたいと思ったときが、会い時

55歳のときに、ゴーゴーパーティと銘打って、親しい人たちに集まっていただいたことがあります。理由はね、54歳で母が亡くなったから。若くして親を亡くした方はみんなそうだと思いますが、私の中で54という年はひとつのハードルだったんです。

ちょうど10年経って、この5月にも65歳の誕生日を機に、これからもよろしくという思いを込めてパーティを開きました。10年前に来てくださった方全員に声をかけたのですが、残念なことに亡くなった方がいたり、体の調子が悪くて来られない方もいて...。この10年、一度もお会いしていない人がいたということですよね。

そのとき実感したのは、時間は待ってくれないということ。会いたい人には、会いたいときに迷わず連絡することが大事なんだなということでした。

それから、私は友人や知人たちへ短いメールを送ることを習慣にしています。いまは携帯番号さえわかれば、メッセージが簡単に送れるでしょう? 電話だと時間によって相手の様子を気使ってしまうけれど、メールなら気軽です。

「元気? いまどうしてる?」「おいしいポン酢を送りますね」などなど。内容はそんなたわいのないこと。相手も「はい、元気です」と打って送信ボタンを押せばいいのですから、負担がかかりません。

人と絆の種をあらためて蒔くみたいに、これからも短いメールを送ろうと思っています。
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長年連れ添った夫を、空気にしない

夫婦関係ですか? 夫の勝野洋と私は今も仲良しです。

私たちのポリシーはひとつ、初心を忘れないこと。だから、何かあったときには、なぜ結婚したんだっけ? なぜ家族をもちたいと思ったんだっけ?と自分の胸に聞くんです。答えはいつも同じ、"好きだから"。初心に立ち返ればいい。

もちろん人間ですから、一緒に暮らしていれば嫌だなと思うこともありますよ。でも、それを消しちゃうくらいいいところがもう一度見えてくるんです。

長く夫婦をやっていると、空気のような存在になるって聞きますが、私は夫を空気になんてしないわ。朝起きて、ちゃんとおはようって挨拶をするし、何食べる?って聞いて、楽しい会話を始めます。

忙しいときに話しかけられてイラっとしたら? 3回までは聞いてあげます。もっと続けて聞いてきたら、「前の日も同じことを言ったけれど、覚えてないの?」と優しく返します。「何言ってるのよ、ばかね」とは言いません(笑)。

大切なのは、お互いを見ようと思うことですよね。夫も上っ面ではなくて、私のハートを見てくれていますよ(手で自分の胸を指し)。

後編「母と息子、私たちの未来図 キルト作家・キャシー中島さん(4)」はこちら。

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キャシー中島(きゃしーなかじま)さん

キルト作家。ハワイアンキルトやパッチワークキルトの作品を数多く発表し、国内だけでなく、海外にも赴いてその指導にあたる。キルトの本場アメリカでの評価も高い。一方、タレント活動も。俳優・勝野洋の妻として、手芸家・勝野洋輔の母としてパワフルな毎日を送っている。著書は『キャシー中島のわくわくハワイアンキルト』『キャシー中島&洋輔のいつでもハワイアンキルト』(共にKADOKAWA)他多数。

 

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