これがセンスの極み。マナーが重要な「香り」使い【人気エッセイストが提案】

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『センスいい人がしている80のこと』 (有川真由美/扶桑社)第4回【全10回】

センスよく暮らしたい、おしゃれだと思われたい、そう考えている方はたくさんいると思います。でも、センスっていったい何で、どうやったら身に付くのでしょう?  『センスいい人がしている80のこと』(扶桑社)は、50種類の仕事、約50か国を旅してきた作家・有川真由美氏が「センスいいな」と思った魅力的な人のこと、感性を磨くためにやってきたことを満載した1冊です。 今回はその中から、センスがいい人がしていた「作法」についてご紹介します。マネしやすいことばかりなので、日々の生活に取り入れてみるのもいいかもしれません。

※本記事は有川真由美著の書籍『センスいい人がしている80のこと』から一部抜粋・編集しました。

名刺香を使ってみる

香りは自分を表現するファッションや身だしなみのひとつと知っていても、いまは「スメルハラスメント」という言葉があるように、マナーが重要なのです。

オフィスや電車など公共の場で、香水がキツい人がいるとつらいもの。和食の席では、料理の繊細な香りも味わいとするのでタブー。体臭や汗と混じって不快な臭いになってしまうこともあります。

香水は手首につけるイメージがありますが、それだと食事のときなど手を動かすたびに香り立ってしまいます。おすすめは、足首や膝の後ろで、ふんわり自然な香りが漂います。いかにも「香水をつけているな」ではなく、すれ違ったときに「ん? いい香りがするな」とふんわりいい香りがして、ふり返りたくなるような。

また、香水をつける人にも、つけない人にも、ぜひおすすめしたいのが、「名刺香」というもの。名刺入れのなかにそっと忍ばせる香りの袋です。

名刺交換の場で、金木犀の香りのついた名刺をいただいたとき、やさしい香りがふんわり漂って、「なんて素敵なセンス!」と感動したことがありました。

名刺に香りをつけておくことで、「いい香りですね」と会話が始まったり、その場だけでなく、相手が持ち帰ってからも思い出してもらえたり。これならマナー違反になることもなく、香水よりもずっとインパクトがあり、好印象をもたれます。

名刺香は白檀や桜など自然の香りで、だれにでもウケがいい。私はお財布に入れて、レジで香りつきのお札を出すと、「こんないい香りのお札、初めて」なんて笑顔が返ってきます。

パスケースやペンケース、バッグのなかに忍ばせておくのも、見えないおしゃれ。

開けるたび、ぽわんと漂う移り香に、自分も癒やされます。

ふと心地よくなる「さりげない香り」は、センスの極みだと感じるのです。

 

有川真由美

作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。約50カ国を旅し、旅エッセイも手がける。

※本記事は有川真由美著の書籍『センスいい人がしている80のこと』から一部抜粋・編集しました。
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