『ミニマリスト、1700万円で家を買ってリノベする 東京23区・築67年小さなボロ家がよみがえりました』 (森 秋子/KADOKAWA)第11回【全12回】
東京都内在住の森秋子さんは、子育てを機に、時間と家事に追われる生活から脱却するため、物を手放す暮らしを始めました。その知恵と生活のヒントを綴ったブログ「ミニマリストになりたい秋子のブログ」は、瞬く間に人気ブログに。そんな森さんが、都内23区内にある築67年の小さな再建築不可物件を、1700万円でリノベーションし、見事に蘇らせた過程をまとめたのが『ミニマリスト、1700万円で家を買ってリノベする 東京23区・築67年小さなボロ家がよみがえりました』(KADOKAWA)です。予算やスケジュール、実際にかかった費用などを公開しており、これからリノベーションを考えている方や、新築を検討中の方にとって、非常に参考になる一冊です。
※本記事は森 秋子著の書籍「ミニマリスト、1700万円で家を買ってリノベする 東京23区・築67年小さなボロ家がよみがえりました」から一部抜粋・編集しました。
「平屋」の意外な価値
絵本に出てくる家は、だいたい平屋です。80年以上も前に書かれた『ちいさいおうち』もそうですし、元気な白猫『ノンタン』は平屋に一人暮らし。東京ディズニーランドにあるトゥーンタウンのミニーの家も平屋だったと思います。
子どものころ、車でよく通る交差点の角のところに平屋の家が建ちました。小さな平屋に小さな庭があってコンパクトでシンプル。私はずっと憧れていました。交差点で赤信号になると、青信号になるまで平屋を見ていられるから、内心「ラッキー」と思っていました。
子どものころに住んでいたのは田舎の新興住宅地で、二階建ての家ばかりだったので、その平屋のこぢんまりとした佇まいを、多分私だけでなくいろんな人が「素敵だな」と思って見ていたような気がします。
その家は塗り替えられたりしながら今もそこに立っています。実家に帰るバスの中で、私はいつもその家を探します。昼でも、夕暮れでも、夜でもとてもかわいいです。少し古くなっているところがますますかわいいです。
今も私の住んでいる地域に平屋はほとんどありません。もしかしたら私が小さな平屋の空き家を見つけて「どうしても欲しい」「自分の家になったならどんなにワクワクするだろう、どんなに素敵なことだろう」と思ったのは、子どものころからの憧れの家のことがあるからなのかもしれません。
平屋の魅力は、かわいらしさだけではありません。実は耐震性にも優れています。正方形や長方形といったシンプルなつくりであることや、建物が低く揺れにくいといった理由から、二階建てや三階建てに比べて地震に強いと言われているのです。