水疱が、胸や背中に帯状に広がる。「帯状疱疹」はなぜ起こる?/帯状疱疹

pixta_29056345_S.jpgある日、頭や背中、わき腹などの、体の左右どちらかの皮膚にピリピリした痛みを感じた後、赤い班や小水疱(水ぶくれ)が出てきた...急にそんな症状が出現したら戸惑うものです。実は、これが帯状疱疹(たいじょうほうしん)の典型的な症状。加齢や過労、病気、旅行に出かけて疲れがたまった時などに、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが再び活動し始めて起きる病気です。帯状疱疹の特徴や治療法、後遺症、他の病気との見分け方などについて、宇野皮膚科医院院長の漆畑先生にお話を聞きました。

 

過労、ストレス、加齢などが原因で免疫力が低下して起こります

「帯状疱疹」という病名を耳にしたことがある人は多いと思います。「帯状疱疹」は、頭や顔面、胸や背中などの片側に"ピリピリ"あるいは"チクチク"とした痛みを感じ、小水疱が体の左右どちらかに帯状に広がる病気。過去に水ぼうそうにかかったことがある人がかかります。

帯状疱疹の原因といわれているのが「過労」「ストレス」「加齢」などです。過労やストレスによって免疫力が低下すると、体の奥に潜んでいた「水ぼうそうウイルス」を抑え込むことができず、ウイルスが活性化して「帯状疱疹」を引き起こします。高齢者に多い病気ですが、それは年を重ねるほど免疫力が低下しやすいからです。若い世代でも、長時間労働や不規則な生活などが続いて免疫力が低下したときや、がんや膠原病(こうげんびょう)など免疫が下がりやすい病気にかかると、帯状疱疹を誘発することがあります。

発症しやすい時期としては、近年、特に季節性はなく、仕事の忙しい時期や、レジャーや帰省などで何かと忙しい連休後、お盆明け、年末年始の後などに発症しやすい傾向がみられるようです。

 

原因のまとめ

●過労・・・仕事で多忙な日々を過ごしていると、比較的若い20~30歳代でも発症することがある。 遠方への旅行などで1日中活動した疲れがたまり、帰宅後に発症することも。

●ストレス・・・仕事の忙しさや職場の人間関係などがストレスとなり、免疫力が低下して発症。主婦はパート勤務と家族の介護との両立などのストレスから発症する可能性が。

●加齢・・・年齢とともに誰でも免疫力が低下。ウイルスの活動を抑えきれずに発症。

●免疫が下がる病気・・・がんや膠原病などでは免疫が低下するため発症しやすい。

 

帯状疱疹を引き起こしているのは、「水ぼうそうウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)」です。このウイルスの特徴は、1回目に感染し発症したときと2回目以降に発症したときとでは、体に現れる症状が全く異なることです。

最初に感染したときは、発熱し、全身に赤い斑点が出て、それがやがて小水疱に変わる「水ぼうそう」として発症します。感染力が強く、他の人からうつされたり、自分も他の人にうつしてしまったりして、人から人へと病気がどんどん広がっていきます。

「2回目以降に発症するときは、体の免疫力が落ちているときに、体内で眠っていたウイルスが活性化して、体の片側の一部分に小水疱が群がった『疱疹(ヘルペス)』が1個から数個以上できて痛みを感じる『帯状疱疹』として発症します。一般的に帯状疱疹は、水ぼうそうにかかってから数十年を経て発症することが多いのです」と漆畑先生。

帯状疱疹は水ぼうそうとは違い、体内の神経細胞でウイルスが増殖しますが、他人に帯状疱疹として感染することはほとんどありません。しかし、帯状疱疹が治った後も、後遺症として『疱疹後神経痛』が残ることがあるため、早期治療が大切です。

 

次の記事「幼少期にかかった水ぼうそうのウイルスが、いま帯状疱疹を引き起こす/帯状疱疹(2)」はこちら。

取材・文/松澤ゆかり

<教えてくれた人>
漆畑修(うるしばた・おさむ)先生

東邦大学医学部卒業後、東邦大学医学部大橋病院皮膚科部長、東邦大学医学部客員教授などを経て2007年に宇野皮膚科医院(東京都世田谷区北沢)院長に就任。医学博士、皮膚科専門医、抗加齢(アンチエイジング)医学専門医、温泉療法医、サプリメントアドバイザー。著書に『痛みを残さない帯状疱疹 再発させない単純ヘルペス』(メディカルトリビューン)、『帯状疱疹と単純ヘルペスの診療』(メディカルレビュー社)などがある。

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