皆さんは、「乾物」ってよく使いますか?切り干し大根にひじき、高野豆腐...と、買い置きしておけばいつでも使えて便利な食材ですよね。ただ、便利なはずにも関わらず、使う料理はいつも一緒ということはありませんか?
そんな「乾物」を使って、もっと料理の幅を広げたい!という想いに応え、『毎日が発見』2018年5月号では、人気親子料理家・小林まさるさんとまさみさんによる新連載「親子で乾物をおいしく食べる」が始まりました。
記念すべき第1回目は"切り干し大根"を使ったレシピが紹介されているので、今回はこの中から、ちょっと変わった"切り干し大根"レシピ2品を実際に作ってみました。
おさらいしよう! 切り干し大根の戻し方
今回のメイン食材である"切り干し大根"は、細く切った大根を乾燥させたものですよね。そして、料理に使う時は必ず水で戻すことが必要になってきますが、実は料理によって戻し方が違うことを知っていますか?
●煮物などでやわらかく煮る場合は...
いつものように、たっぷりの水に15~20分ほど浸けて戻します。
●少し食感を残したい場合は...
水に5分ほど浸け、爪で切れるくらいのやわらかさになればOK。
このように、切り干し大根をどのような食感で味わいたいかによって、戻し時間も異なるんですね。
それでは早速「切り干し大根」レシピを作ってみましょう!
優しい味わいが口いっぱいに広がる
「切り干し大根とぜんまいの煮もの」の作り方
<材料>(作りやすい分量・4人分)
切り干し大根...30g
ぜんまい(水煮)...1袋(70g)
さやえんどう...10枚
鮭水煮缶...小1缶(90g)
A 水...1と1/2カップ
酒...大さじ1
しょうゆ...大さじ1
砂糖...大さじ1
<作り方>
1. ボウルに洗った切り干し大根を入れ、たっぷりの水に20分ほど浸けて戻し、水けを絞ったら食べやすい大きさに切ります。
2. 鍋にA を入れて混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせたら、1 とぜんまい、鮭缶を汁ごと加えます。再び煮立ったら落しぶたをし、中火で12分ほど煮ます。さらに、さやえんどうを加え、3分ほど煮れば完成です。
材料を準備したら、あとは煮るだけの簡単料理!
さてお味は?
まずは、切り干し大根を使った一般的な煮ものレシピですが、今回は鮭缶やぜんまいを使って、今までにない切り干し大根とのコラボレーションを実現しました。ここでは煮ものに使うので、切り干し大根は長めに水に浸けて戻しました。そうすることで、柔らかくなった切り干し大根に、鮭缶などのたくさんのうまみ成分が吸収されて、噛むたびにジュワっと優しい味が口いっぱいに広がりました。居酒屋の突き出しなどにも出てきそうな、家庭的な一品です。
食感が楽しい「切り干し大根の台湾風卵焼き」の作り方
<材料>(2人分)
切り干し大根...15g
えのきたけ...小袋1/2袋(50g)
卵...2個
塩...少々
しょうゆ...小さじ1
ごま油...大さじ1と1/2
<作り方>
1. ボウルに洗った切り干し大根を入れ、たっぷりの水に5分浸けて戻し、水けを絞ります。
2. ごま油大さじ1/2を入れたフライパンをしっかり熱し、切り干し大根と1cm長さに切ったえのきを1分ほど炒めます。
切り干し大根を炒めるって、ちょっと新鮮。
3. ボウルに、溶き卵、塩、しょうゆを入れて混ぜ、ここにさらに2 を加えて混ぜ合わせたら、ごま油大さじ1を熱したフライパンに流し入れ、ふたをして弱火で1分、返して片面を2分ほど焼けば完成です。
切り干し大根を焼き料理に使うと、どんな感じになるんでしょうね。
出来上がりはいかに?
短時間で戻した切り干し大根を使った卵焼きが出来上がりました! 今まで、切り干し大根=煮物というイメージしかなかったので、卵焼きに混ぜ込むと聞いて、最初かなり驚きました。でも、食べてみると、短時間で戻した切り干し大根なのでカリっとした食感になっていて、それが柔らかい卵焼きに包まれて、今までにない食感の組み合わせを楽しめました。
また、卵焼き自身も切り干し大根のうまみをたっぷり吸った生地なので奥深い味で、新しい卵焼きに出会った感じに。ちなみに、切り干し大根だけでは食べなかった小学生の息子も、この卵焼きはパクパクと、気に入って食べていましたよ。
脱煮物!どんどん広がる切り干し大根の世界
正直なところ、切り干し大根は昔ながらの煮物に使われるもので、勝手ながらに古臭いイメージを持っていました。でも、今回、戻し加減で切り干し大根のアレンジ幅が広がり、焼き料理から、はたまたケチャップなどと合わせた洋風メニューにも使えることを始めて知り、切り干し大根イメージが覆されました。これからは、もっと切り干し大根の可能性が広がる新しいレシピに挑戦してみませんか?
写真・文/JUNKO