玉ねぎの健康効果が、今再び注目を集めています。
玉ねぎ氷でおなじみの村上祥子さんの元気の秘密は、「食べることで、必要な栄養をしっかりと体に届けること」と言います。健康食材として知られる玉ねぎににんにくやしょうが、酢をプラスして、さらなる効果を引き出すことを提案。
玉ねぎを料理に使うだけでなく、保存性を高めてジャムにし、料理に加えたり、調味料として使ったり。毎日、玉ねぎを無理なく摂れるように工夫されたレシピを教えていただきました。
\こんなにたくさん!/
玉ねぎに含まれる健康成分
玉ねぎとにんにく、しょうが、酢を合わせ、食材の相乗効果で健康な体づくりに役立てます。おいしくてどんどん使いたくなってきます。
イソアリイン
・・・血液サラサラ作用
血液をサラサラにし血中の脂肪を減らして、コレステロール値を下げる働きがあります。ほかにも消化促進、疲労回復、肌荒れ、不眠、イライラ、骨粗鬆症改善などにも効果があります。玉ねぎをよく食べる人の血管年齢は、食べない人と比べるととても若いことがわかっています。
グルタチオン
・・・肌荒れや老化を防止
アミノ酸の一種で、抗酸化作用とともに血管内壁につく脂肪を分解して、しなやかな血管を保ちます。血流がよくなると血液の質もよくなり、全身に栄養が届けられます。シミやくすみをできにくくする働きもあり、美容クリニックの美肌点滴にはグルタチオンが使われているほどです。
ケルセチン
・・・強力な抗酸化作用
玉ねぎの黄色い色素成分であるファイトケミカル(植物由来の機能性成分)です。強い抗酸化作用でがんや老化を防ぎます。 動脈硬化や血栓ができるのも防ぐので、心臓病や脳血管障害などの予防に効果があります。 脂肪の吸収も抑制します。
オリゴ糖
・・・腸内環境を整える
玉ねぎを加熱すると甘くなるのは、豊富に含まれるオリゴ糖によるものです。オリゴ糖は善玉菌の代表・ビフィズス菌の大好物。オリゴ糖が増えれば善玉菌も元気に働いて腸内環境が整います。排便がスムーズになって便秘を予防したり、アレルギー症状が改善されることもあります。
セレン
・・・活性酸素を無毒化
ミネラルの中の必須微量元素のひとつで、とても強力な抗酸化作用がある成分です。がん、生活習慣病、老化の原因となる活性酸素を無毒化します。近年とくにがん予防の効果が注目されています。また、体内の免疫力を高め、肩こり、腰痛、冷え性の改善にも役立ちます。
後編「村上祥子さんの毎日玉ねぎ(2)〝玉ねぎ+にんにく″でバツグンの健康効果!」はこちら。
構成・文/石井美佐 撮影(プロフィール)/木下大造 栄養計算╱(株)ムラカミアソシエーツ
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。福岡女子大学で、栄養指導実習講座を15年間担当。電子レンジの特性に着目し、あらゆる場面で電子レンジを活用した多彩な教室を開催。日本栄養士会主催の特別保健指導の講師も務める。近年は"玉ねぎ氷"を開発し、注目を集めている。