いつもはお客様のために美味しい料理を提供してきた"食のプロ"が、普段家庭ではどんな味を楽しんでいるのか気になりませんか? 『毎日が発見』2018年5月号では、書籍『夫はホテルオークラ元総料理長、妻は料理家 ふたりのごはん』(KADOKAWA)の著者のひとりであり、ホテルオークラ東京開業以来、50年にわたり腕を振るってきた、ホテルオークラ元総料理長・根岸規雄さんにインタビュー。また、根岸さん直伝、家庭でも簡単に再現できる、ホテルオークラの看板メニュー「フレンチトースト」レシピが紹介されています。そこで、今回はこの「フレンチトースト」作りに挑戦してみました。
根岸さんの奥様も実はあの有名な"料理家"
フランス料理の第一人者として、ホテルオークラで腕をふるってきた根岸さんですが、実は奥様は、「毎日が発見」で「毎日のおかず」を連載したり、日本テレビ「キューピー3分クッキング」でもおなじみの料理研究家・石原洋子さん。まさに食を極めたご夫婦なんです。そのため、時には同じ素材を使って、それぞれ作り合ったりすることもあるんだとか。そんなお二人の食卓にも上がるメニューの1つが、根岸さんご自慢の「フレンチトースト」。一見、門外不出のレシピかと思いきや、根岸さんが家庭でも簡単に再現できるレシピを紹介してくれたので、早速作ってみましょう。
ホテルオークラ看板メニュー「フレンチトースト」の作り方
<材料>(1~2人分)
食パン(4枚切り)...1枚
《漬け込み液》
牛乳...200ml
卵...1個
砂糖...15g
サラダ油...少々
《お好みでトッピング》
メープルシロップ、バター、イチゴ、ブルーベリー、アイスクリーム、スペアミント...各適量
<作り方>
1. パンを半分に切ります。
ホテルでは、食パンの耳は切り落とすのですが、ここでは手軽な耳つきで作ってみます。
2. ボウルに漬け込み液の卵を割りほぐし、牛乳、砂糖を加えて混ぜ合わせたら、一度こします。
一度こすことで、出来上がった時に舌触りがなめらかになります。
3. パンを漬け込み液に浸します。
途中で一度ひっくり返して、食パンにまんべんなく液がしみ込むようにします。
このまま一晩浸け、こんな感じで、ほとんど液がなくなった状態にします。
4. フッ素樹脂加工のフライパンに、油をキッチンペーパーにつけたもので軽く塗り、3 のパンを並べて、弱火で7分ほど焼きます。そして、片面が焼けたらひっくり返します。
ひっくり返す際は崩れやすいので、丁寧にやりましょう。
5. ふたをして、弱火で7分ほど焼き、表面を色よく焼き上げます。そしてこれを器に盛り、最後に季節のフルーツなどを使って盛り付ければ完成です。
出来上がりはいかに!?
元総料理長直伝の「フレンチトースト」が出来上がりました!どうですか、なかなか美味しそうにできましたよね。今回は季節のフルーツであるいちごと、ブルーベリー、アイス、ミントを添え、メープルシロップをかけてみました。
実は昔、このフレンチトーストがどうしても食べたくて、ホテルオークラに行ったことがあるんですが、まさか家庭でもできるとは...。でも、やっぱりホテルの味とは違うだろうと思って早速食べてみると、いやいや、ホテルで食べたあの味を見事に再現できていてビックリ!トーストはとろけるように柔らかく、噛むたびにジュワっと優しい甘さが口いっぱいに広がり、あのホテルで食べた極上の味を再び味わうことができました。とにかく美味しく仕上げるコツは、前の晩から卵液に浸し、じっくり焼くこと。これだけを守れば、一流シェフの味が手軽に家庭でも楽しめますよ。
ちなみに、誌面では、四季の食材を堪能する、奥様の家庭料理レシピも合わせて紹介しています。
料理へのこだわりを知れば、より料理への親近感が湧いてくる
今回のインタビューの中で、シェフである夫は、味だけでなく見た目も完璧に、料理家である妻は、家庭料理はいかに簡単でバリエーションに富むかが重要など、それぞれの食のプロのこだわりを知ることができます。こうやってそれぞれのこだわりが、お互いへの刺激となって、新たな料理に繋がっていったりするんでしょうね。
なかなかプロの料理人の家庭まで覗くことはできないので、こうやって料理に対する普段からのこだわりを知れたことで、お二人が作り出す料理への親近感みたいなものがより湧いてきました。ぜひプロが普段味わっている味をご家庭でも楽しんでみて下さい。
写真・文/JUNKO