【認知症予防に】「脳を守ってくれる良質な脂質の宝庫」という食材。おすすめの食べ方を医学博士が伝授

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OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方山根 一彦KADOKAWA)第8回【全10回】

大好きだった祖母が認知症を発症したことをきっかけに、認知症の予防法の普及に生涯をかける決心をしたという山根 一彦さん。医学博士として、認知症専門人材の育成、教材開発に携わってきました。これまで多数の認知症関連書籍の監修・執筆活動を行ってきた山根さんが、著書『OK食材、NG食材もズバリ!認知症を防ぐ最高の食べ方』(KADOKAWA)で伝授しているのは、認知症の最新情報や、認知症を予防、改善するための食材や食べ方です。今回はその中から、認知症リスクを減らすために毎日食べたい食材の食べ方と選び方をご紹介します。

※本記事は山根 一彦著の書籍「OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方」から一部抜粋・編集しました。

【OK食材】サンマ

―――脳を守ってくれる良質な脂質の宝庫

認知症予防に魚が重要視されるのは、オメガ3に分類される良質な油、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれているからです。

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターなどのグループが発表した論文によれば、DHAやEPAの摂取量が多い人は、脳の側頭皮質と前頭皮質の体積の減少を抑制できるそうです。側頭皮質と前頭皮質は認知機能に関わるので、両者の体積の減少を防げば、認知症予防になると期待できます。

また、DHAは脳のリン脂質の主要な構成成分なのですが、年齢とともにその量は減少してしまうため、食事などで外から取り入れる必要があります。高齢者がDHAを積極的に摂ると、注意や作業記憶などの認知機能が維持されることもわかっていました。

DHAとEPAを摂るには、サンマ、サケ、サバ、イワシ、ニシン、アジなど、比較的小型の魚を積極的に食べるのがおすすめ。どれも安価で日本中どこでも手に入りやすい魚ばかりです。缶詰なら、いっそう手軽に食べられます。

とくに良いのは、脂がしっかり乗ったサンマです。旬のサンマのDHA含有量は、魚の中でもトップクラスです。ただし、網の上で焼くと、摂りたい成分をたっぷり含んだ脂が落ちてしまいます。また、焼きすぎで焦げができてしまっては、発がん性のリスクも気になります。

サンマは網焼きよりも、野菜やキノコなどと一緒にホイル焼きにするほうが良いでしょう。あるいは、成分が熱によって損傷される心配がないので、刺身もいいですね。生の魚を調理するのが億劫な日は、便利な缶詰を使ってもかまいません。缶詰には、1年を通して最も安価な時期、すなわち旬の時期の素材が使われています。

サケもDHAが豊富で水銀が少ない魚です。サケの身が赤いのは、「アスタキサンチン」という色素が含まれているからです。アスタキサンチンには、ビタミンEやβカロテンよりもはるかに強力な抗酸化力があり、脳の酸化を防いでくれます。

POINT!
脳が喜ぶ良質な油が豊富なサンマやサケは刺身やホイル焼きのほか、缶詰で摂るのも◎。

 
※本記事は山根 一彦著の書籍「OK食材、NG食材もズバリ! 認知症を防ぐ最高の食べ方」から一部抜粋・編集しました。
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