火傷を氷水で冷やすのはNG!? とっさの時に役立つ正しい応急処置

火傷を氷水で冷やすのはNG!? とっさの時に役立つ正しい応急処置 180411_oukyuu_1.jpg

突然のケガや病気に役立つ応急処置。実は良かれと思って施した処置が、症状を悪化させている可能性があります。そこで今回は、応急処置の良し悪しをご紹介。


火傷は氷水で冷やしてはいけない!?

昨年9月放送の『その原因、Xにあり!』(フジテレビ系)では、「火傷」「過呼吸」「風邪」の3つの"応急処置"について紹介されました。

まず紹介されたのが「火傷」。火傷を負った時にとる行動としては、"氷水で冷やす"方法を思いつきますよね。実は、氷水で冷やす行動は間違った応急処置。さいたま赤十字病院皮膚科・井上多恵先生の話では、氷水で火傷を冷やしすぎると"凍傷"を起こし、皮膚の細胞を壊して症状を悪化させる恐れがあります。

火傷をした場合は、流水を10分程度かけ続けましょう。多少ぬるく感じるかもしれませんが、水温15~25度でも火傷のダメージを抑える効果があるので問題ありません。また広範囲に火傷を負った場合には体温調整が難しくなるため、患部を冷やしながらシーツにくるまり保温することが重要。

番組では「火傷」の他にも誤った応急処置が紹介されました。ストレスなどで起こる「過呼吸」の応急処置といえば、"袋を口にあてる"方法。体内の少なくなった二酸化炭素を補うために、袋を口にあてて二酸化炭素を再び吸うことが過呼吸の対処法と考えられていました。しかし実はこの応急処置をやりすぎると酸素不足になり、逆に危険な状態にしてしまうのです。ネット上でも「袋を口にあてる方法が間違っていたとは衝撃」「いつも間違った方法で対処していたのか... ショック」など驚きの声が多くあがっていました。

過呼吸の正しい対処法は「しっかり息を吐く」こと。キスをする時のイメージで口をすぼめてゆっくり呼吸をするのが最も効果的です。また会話をするのも対処法のひとつ。話すことで自然と息を吸う状態ができるので、応急処置にはおススメです。


風邪に抗生物質は危険!?

番組では、「風邪」の応急処置についても紹介されました。早く風邪を治すために"抗生物質"を服用する人は多いですよね。しかし、芝大門いまづクリニック院長・今津嘉宏先生は風邪のウイルスに効く抗生物質はなく、自然に治るのを待つしかないと解説しました。

医師が抗生物質を処方するのは他の病原菌に感染しているか、他の病原菌の疑いがある場合のみ。抗生物質を使いすぎると身体に必要な菌も殺してしまい、反対に薬では死なない耐性菌を作り出します。耐性菌によって肺炎を引き起こした場合、薬が効かずに死亡してしまうケースも。

対して風邪の正しい応急処置のひとつに、首にネギを巻く方法があります。昔ながらのおばあちゃんの知恵袋ですが、ネギの臭い成分・アリシンは体温を上昇させ免疫力を高めてくれるので風邪にはとても効果的。

応急処置はやり方ひとつで良くも悪くもなります。正しいと思っていた方法がもしかしたら間違っている可能性もあるので、今一度自分の対処法を見直してみるといいかもしれませんね。

関連記事:「一般的な人は1年に5~6回風邪にかかっている?/やさしい家庭の医学」

 

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