ひざ痛をその原因から解決!(5)ひざの負担は3つの生活の工夫で軽減!

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「立ち上がるときにひざが痛む」など、年齢とともにひざ痛を訴える人が増えてきます。ひざ痛の中で多いのは、「変形性ひざ関節症」という病気です。これは、日本人のひざの痛みの原因として最も多いといわれているもので、ひざに負担がかかり続けることによって、ひざへの衝撃を吸収するクッションの役割をする関節軟骨がすり減り、半月板が傷み、ひざに痛みが起こる病気です。加齢が原因で起こるため、年齢が高くなるほど発症しやすくなります。「変形性ひざ関節症」について、国立病院機構災害医療センター院長の宗田大先生にお話しをお聞きしました。

前の記事:「ひざ痛をその原因から解決!(4)〝お皿ストレッチ″で 変形性ひざ関節症の痛みを改善」はこちら。

  

ひざに痛みがある人は、日常生活を見直し、ひざを守る工夫をすることが大切。日常生活や食生活を見直すほか、重い荷物を持つことも避けましょう。重い荷物を持つとひざに負担がかかるので、リュックサックにするなどの工夫を。キャリーバッグを使用する場合は、姿勢よく使うことを意識しましょう。

また、「和式の生活は、座るときにひざを深く曲げたり、床にひざをつく動作が多いなど、ひざに大きな負担がかかります。テーブルやいす、ベッドを使うなど、できる範囲で洋式の生活にすると、ひざへの負担を軽減できます」(宗田先生)

  

ポイント1 ひざの保温

ひざを守る基本は、温めること。それによって血行が促進され、関節の動きが良くなり、硬くなった筋肉や腱がほぐれます。お風呂で温まるほか、ホットサポーターなどを利用しましょう。冷房が効いた部屋では ひざ掛けを使うことなども有効です。

[ぬるめのお風呂にゆっくりつかる]
●38~40℃のぬるめのお風呂にゆっくりつかり、ひざを温めます。
●洗い場のいすは、背もたれとひじ掛け付きで安定の良いものを使うと、ひざへの負担を軽減できます。

[ホットサポーターで冷えを防ぐ]
●ホットサポーターはひざを保温します。市販品を選ぶ際は、ひざの動きを適度にサポートし、動きやすいものがおすすめ。締め付けがきついものは避けましょう。
●冷房の効いた室内では、ひざ掛けやレッグウォーマーなどを併用すると、より効果的。

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約42度の温熱シートでひざを温める「桐灰ひざホットンα」

  

ポイント2 肥満の改善

肥満はひざへの負担になるので、食生活などを改善し、体重を増やさないように心掛けましょう。ただし、減量のために運動をしてひざを痛めてしまっては元も子もないので、ひだへの負担が少ない運動を行うことがポイントです。

[ひざに負担をかけずに適度な運動をする]
●ひざへの負担が少ない有酸素運動(ノルディックウォーキング、水泳、水中運動、エアロバイクなど)に取り組みます。
●毎日、体重計に乗ると、体重を増やさないよう意識が高まります。 [バランスの取れた食事で腹八分目を心掛ける]
●肥満を解消するには、毎日の食事が基本。1日3食規則正しく、栄養バランスの取れた食事をとりましょう。
●よくかんで腹八分目を心掛けます。
●無理な食事制限をすると、筋肉が減るおそれがあります。肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質は、毎食欠かさないようにします。

ポイント3 装具を上手に活用

ひざ痛がある人は、無理のないように姿勢よく歩けるようにすることが大切です。つえやサポーターなどをうまく生活に取り入れてみることもおすすめです、サポーターは医師に相談すると、症状に応じたものを処方(保険適用)してもらえます。

[歩くときは必要に応じてつえを使う]
●必要に応じてつえを使用すると、正しい姿勢で歩くことができ、外出の機会も増やせます。
●市販のつえはさまざまな種類があるので、握りやすく、自分に合った長さのものを選びましょう。

[サポーターでひざを安定させる]
●サポーターには保温効果があるもの、関節の働きを支えて固定する支柱入りのものなどがあります。
●日常生活で歩くときに装着すると、ひざを安定させ、ひざにかかる負担を軽減できます。

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<教えてくれた人>
宗田 大(むねた・たけし)先生
国立病院機構災害医療センター院長、東京医科歯科大学名誉教授。東京医科歯科大学医学部卒業。専門はスポーツ医学、膝関節学を中心とした関節外科学。患者のひざ痛改善のために熱心にストレッチを指導している。
 
この記事は『毎日が発見』2017年8月号に掲載の情報です。

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