コレステロールを減少! 亜麻仁(あまに)油で「焼き菜飯」/オイル活用法(5)

コレステロールを減少! 亜麻仁(あまに)油で「焼き菜飯」/オイル活用法(5) 1801p57_01.jpg生きていく上で欠かせない三大栄養素はたんぱく質、炭水化物、そして脂質です。健康維持に役立てるには「量」と「質」を考えることが大切です。

脂質は、脂肪酸という酸で構成されていて、構造の違いによって分類することができます。その中には体内で合成できない、または合成量が少ないため、必要量を満たすには食物から摂取しなければなりません。

脳の認知機能、知力の維持(物忘れ防止)、血液サラサラ効果のある代表的植物油であるオリーブ油、えごま油、ごま油、亜麻仁油について、料理研究家で管理栄養士の村上祥子先生に教えてもらいました。

前の記事「肝機能を高めるごま油を使ってカンタンレシピ「わかめの炒め物」/オイル活用法(4)」はこちら。

 

亜麻仁(あまに)油

悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させる必須脂肪酸のα-リノレン酸を多く含みます。1日小さじ1/2が摂取の目安です。

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【特徴】
衣類などに使う繊維、リネンの原料の亜麻という植物の種子から採れるオイルです。亜麻の種子を圧搾、または種子をつぶして溶媒で抽出することで作られます。
黄色っぽい乾性油で食用だけでなく、油絵具を溶く材料や木製品の仕上げなどにも用いられます。

【健康効果】
えごま油と同様に不足しがちな必須脂肪酸、特にn-3系のα-リノレン酸をはじめとした不飽和脂肪酸に富んでいます。亜麻仁油は成人1日当たり小さじ1/2ほど摂ると、コレステロールを減少させる効果があります。n-3系は魚油にも豊富に含まれているのですが、魚を食べることが減っているので、現代人はn-3系の摂取量が不足しがちです。

亜麻仁油やえごま油に多いα-リノレン酸は体内に入るとEPAやDHAに変化します。EPAやDHAは血栓を予防し、脳の認知機能を高めてくれることがよく知られています。他の油は小さじ1=4g のところ、亜麻仁油は比重が高く、小さじ1=4.6g となっています。

【料理】
比較的固まりにくいので、少量でも冷たい料理でも、満遍なく行きわたります。カナダが主
要な生産国で、現地ではパンケーキやムニエルの焼き油に使ったり、バターの代わりにホワイトソースを作る、グラタンやクリームシチューなどに用いることが多いです。

【保存法】
酸化しやすいオイルのため、しっかりふたをして必ず冷蔵庫で保存します。

 

 

おすすめレシピ

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「焼き菜飯」

1人分272kcal /塩分0.9g
いただくときにゆずをギュッと絞ると、とても美味です。具材は春菊だけですが、亜麻仁油とのハーモニーを味わってみてください。

材料(2人分)
春菊(または大根葉など)...100g
亜麻仁油...大さじ1
ご飯(温かいもの)...茶碗2杯分(240g)
塩...小さじ1/4
こしょう...少々
ゆず(輪切り)...2枚

作り方
1. 春菊は熱湯でさっとゆで、水に取って固く絞り、細かく刻む。
2. フライパンを温め、亜麻仁油を入れ、1とご飯を加えて炒める。塩、こしょうをふり、火を止める。
3. 器に盛り、ゆずを添える

  

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「切り干し大根のうま煮」

1人分121kcal /塩分1.2g
じゃこも加えてコクがとても深い切り干し大根煮に仕上げます。ゴロゴロ四角に切ったにんじんは食感のアクセントに。

材料(2人分)
切り干し大根...20g
にんじん...1/3本
油揚げ...1枚
水...2カップ
ちりめんじゃこ...大さじ1
A 亜麻仁油...小さじ1
  みりん...大さじ1
  しょうゆ...大さじ1

作り方
1. 切り干し大根はたっぷりの水(分量外)を入れたボウルの中で手早くほぐしながらもみ洗いし、ざるにすくい上げ、水をきって固く絞る。包丁で縦横3~4㎝長さにざくざくと切る。
2. にんじんは1~1.5㎝のサイコロ状に切る。油揚げは2等分し、細切りにする。
3. 鍋に1と水を入れ、2、ちりめんじゃこ、を加えて混ぜる。アルミホイルの中央に×印の切り込みを入れ、落としぶたの代わりにので、強火にかける。沸騰したら中火で15分、切り干し大根がやわらかくなるまで煮る。

  

取材・文/石井美佐 撮影/中野正景

コレステロールを減少! 亜麻仁(あまに)油で「焼き菜飯」/オイル活用法(5)
<教えてくれた人>
村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与する。同大学内の「村上祥子料理研究資料文庫」では50万点の資料が一般公開されている。
公式HPhttp://www.murakami-s.jp/
 
この記事は『毎日が発見』2018年1月号に掲載の情報です。

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