命にかかわる病気ではないものの、そのままにしておくと日常生活に支障が出る場合もある「めまい」。その見分け方や病院で受診するときのポイントなどをまとめました。
前の記事:「メニエール病、前庭神経炎、めまいを伴う突発性難聴はこの運動で治しましょう/めまいを治す!(3)」はこちら。
Q 危険なめまいの見分け方は?
A 脳に関係しているめまいは要注意。
めまいの中には、脳の病気が原因で起こる危険なものがあります。特にめまいの他に、上の図のような症状があるときには、気を付けなくてはいけないのです。脳梗塞の恐れがあるので、すぐに受診します。
前庭神経炎だと思って入院したときに「ろれつが回らない」「飲み込みにくい」などの症状が、遅れて出てくることがあります。さらに発病から2、3日過ぎても立ち上がりや歩行が困難なときは、小脳梗塞の可能性があります。頻度は少ないですが注意が必要です。めまいに加えて、片側のまひ、ろれつが回らない、手足がしびれるなどの症状があるときは、すぐに受診しましょう。
Q めまいで病院に行く目安は?
A めまいが1分以上続くときです。
「良性発作性頭位めまい症」のように、病院に行かなくても、少し時間はかかりますが、自宅でのセルフケアで治せるものもあります。
その一方で、早急に受診して治療が必要なめまいには、「メニエール病」「前庭神経炎」「めまいを伴う突発性難聴」などがあります。受診の目安は、およそ1分以上めまいが続くときです。良性発作性頭位めまい症と思ってもめまいがおさまらないときは、他の重大な病気かもしれないので、病院に行くことが大切です。
Q めまいを予防する食品は何ですか?
A ビタミンCやE、カルシウムです。めまいを予防するには、普段の食事にも気を配ることが重要です。血管を丈夫にしたり、血流を改善する効果が期待できるビタミンC、Eを摂取するように心がけます。 図のようなビタミンCやEを含む食品を、意識して摂るようにします。
また、骨粗鬆症で骨がもろくなると、同じく炭酸カルシウムからできている耳石も欠けやすくなり、めまいの原因になってしまいます。骨を丈夫に保つためには、カルシウムを含む食品を積極的に食べるのがおすすめです。
ビタミンEを含むかぼちゃやうなぎ、ビタミンCを含むいちごやブロッコリー、カルシウムを含む牛乳や小魚などを摂りましょう。
肥塚 泉(こいづか・いずみ)先生
聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科教授。同大学卒業後、大阪大学医学部耳鼻咽喉科、米国ピッツバーグ大学医学部耳鼻咽喉科などを経て、2000年より現職。「めまい外来」を開設し、5万人以上の診察にあたる。