健康であるためにはどうしたらいいのか? セルフメディケーションの時代と言われる今、私たちもそれなりの健康常識は身につけておく必要があります。
病気というものをどうとらえるか、医者との付き合い方、 病気にならない考え方――。ほかにも、食事の摂り方、ストレスの対処の仕方、あるいはダイエットを成功させるコツな ど、明るく元気に毎日を過ごしてもらえる有益な情報を連載でお届けします。今の生活をもう一度見直し、自己治癒力を高めるスキルを学びませんか?
中医では息を吐き切ることで〝気〞が入るとされる
姿勢の悪い現代人は、正しく呼吸できる人が少なくなっています。しかし、新鮮な空気は、生体を健全に保つために不可欠です。ときどき換気をきっちり行なって、深呼吸(腹式呼吸)をしてください。すきまの時間にでも、1日に30回くらいはゆっくりと腹式呼吸をする習慣をつけてはどうでしょうか。
深呼吸は自律神経のバランスを整える上でも非常に有用です。また、呼吸運動は気持ちともしっかり連動しています。ゆっくりと大きな呼吸をすると気持ちが落ち着き体はリラックスします。反対に、浅くて小さな呼吸は気持ちを高ぶらせ体を緊張させます。
やり方は簡単です。座っても立ってもかまいませんが、背筋をまっすぐにして、口を軽く開け、10〜15秒かけてゆっくりと長く息を吐きます。吐き切るといったほうがいいくらいまで息を吐き出します。ちなみに中医では、吐き切ったときに気が入ってくると言われています。そして今度は普通に鼻から息を吸いますが、そのときにできればおなかを膨らますようにします。全身の血の巡り、気の巡りがよくなり、自律神経のバランスも改善されます。ぜひ、毎日、30回以上を目標にやってみてください。
岡本 裕先生(おかもと・ゆたか)
1957年大阪生まれ。e-クリニック医師。大阪大学医学部、同大学院卒業。卒業後12年あまり、大学病院、市中病院、大阪大学細胞工学センターにて、主として悪性腫瘍(がん)の臨床、研究にいそしむ。著書に『9割の病気は自分で治せる』『9割の病気は自分で治せる2【病院とのつき合い方編】』『9割の病気は自分で治せる【ストレスとのつき合い方編】』(以上、KADOKAWA)、『22世紀。病院がなくなる日』(飛鳥新社)など多数。
「カラー版 図解 9割の病気は自分で治せる」
(岡本 裕/KADOKAWA)
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