ストレスを減らす「脳内リセット」って何?/脳の健康レッスン(3)

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強いストレスが原因で病気が引き起こされる

私たちは毎日の生活の中で、多くのストレスを受けています。脳がストレスを感じると、体内の自律神経、免疫、ホルモンの3つの機能が連携してストレスに立ち向かいます。しかし過度のストレスを受けると、緊張状態が続き3つの機能のバランスが崩れます。連携も悪くなり病気の原因となるのです。

ストレスを減らす健康法として吉野槇一先生が提唱しているのが「脳内リセット」。脳からの情報伝達を一度、遮断して、ストレスによる緊張状態を停止させ、三つの機能を正常に戻し「リセット」するのです。これは吉野先生が関節リウマチの治療を行うなかで解明したしくみで、一般の人にも効果があります。

前の記事「脳がスッキリ! 1日10分~「坐る瞑想」で自分と向き合おう/脳の健康レッスン(2)」はこちら。

 

4つの方法を使ってストレス思考をリセット 

「脳内リセット」には、「笑う」「泣く」「睡眠」「没頭」の4つの方法があります。このうち「笑う」と「泣く」は、脳の中で思考を司る「前頭葉」の働きを活発にします。「ストレスを生み出す思考」が妨げられるので、ストレスが軽減すると考えられています。

1つ目の「笑う」ときには、気持ちがスカッとするような落語のような笑いがおすすめです。2つ目の「泣く」ときには涙を流すと効果的。人前で泣くのは、はばかられるかもしれませんが、映画館で周りの人と一緒に泣いたり、部屋で1人でDVDを見て泣いてもよいでしょう。つらい状況のときに、がまんせずに泣くのは良いことです。泣くとすっきりして、リセットしたことを実感できます。

3つ目は「睡眠」。眠ると思考力がなくなり、「ストレスを生み出すマイナス思考」も消えるため、リセットできるのです。4つ目の「没頭」は、何かに熱中することです。我を忘れるほど集中すると、「ストレスを生み出すマイナス思考」が働かなくなり、ストレスが軽減します。いろいろ試して、自分に合ったリセット法を見つけましょう。


体を元気にしてくれる「脳内リセット」

「脳内リセット」は簡単に行うことができて、多くのよい影響を与えてくれます。たとえば関節リウマチの人を対象とした実験で、それが証明されました。関節リウマチの人が落語を鑑賞して楽しく「笑う」体験をすると、炎症を悪化させる物質「インターロイキン‐6」が、落語鑑賞後には統計学的に認められるほど大幅に減少しました。

これは高価な薬と同等の効果です。「笑い」はストレスの強い人に効果があることがわかったのです。他にも血糖値やアレルギーの改善、脳細胞の活性化、自然治癒力の回復など、さまざまな効果がみられます。

 

取材・文/松澤ゆかり 撮影(先生写真)/松本順子

<教えてくれた人>
吉野 槇一(よしの・しんいち)先生
日本医科大学名誉教授。同大学卒業後、東京大学整形外科入局。その後、都立墨東病院リウマチ科医長、日本医科大学リウマチ科教授を経て現職。著書に「がんに負けるな!」(林家木久扇氏との共著・主婦の友社)などがある。
この記事は『毎日が発見』2017年11月号に掲載の情報です。
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