「定年後の夫との寂しい日々」立木ミサの夫婦の相談室

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隣の芝生は青く見える......と思っていたら、意外とうちの芝生のほうが青いのではないか!?「そうそう、そうなのよ」とうなずきたくなる相談から、驚き、びっくりな悩みまで、いろいろあります夫婦って。

定年後の夫婦問題はもとより、子ども世代や孫世代にリアルに起きている夫婦のさまざまな問題を、夫婦問題カウンセラーの立木ミサさんと一緒に考えます。

  

Q 夫は多趣味な人で、定年後も外出する予定が詰まっています。私はひとりでいることが多く、寂しい毎日を過ごしてます。

夫は現役時代から友達も多く、いろいろな趣味のサークルに参加していたりと社交的です。定年後もなんやかやと毎日外出の予定があり、私は食事も一人のことが多く、現役時代と同じようで寂しく感じることがあります。時々このまま年を重ねていくのがむなしくなります。外出に誘うと付き合ってはくれるのですが、もう少し夫婦の時間をもちたいと思っています。「もっと外に出ればいい」と夫は言いますが、私は家にいるほうが好きなので積極的にはなれないでいます。(64歳・専業主婦)

A 夫婦の時間と個人の時間----両方あるほうが健全です。バランスを考えてみましょう。

頑張って夫婦関係の修復の努力をしている相談者の、その糸がプツリと切れてしまうことがときどきあります。その後押しの一撃が、義理の親や親せきの言葉になるときがあります。義理の関係というのは、夫婦がうまくいっていればこそ成り立つ関係です。その基盤となる夫婦関係に問題が起きると、本来は夫(妻)が自分の親や親せきとの潤滑油とならなければならないところが、夫婦関係が悪いことで、その機能を果たせなくなります。それまで仲良くうまくいっていた義理の親や親せきとの関係というのも、簡単に悪化していきます。

夫の定年後が憂うつという妻はけっこう多いのですが、なかには待ち遠しいという方もいます。夫婦円満でここまで来られた幸せな方なのかもしれません。社交的な夫と家が好きな妻、その逆もあります----足並みをそろえていられるといいのですが、そうばかりではないので悩ましい。二人で共通の趣味をもっているのがいいか、というとそれもなかなか現実には少ないようです。元気で長生きを目指していくには、夫婦という部分と個人の部分があったほうが何かと心身ともに健康でいられます。

あるご夫婦は75歳で夫がある日、急逝しました。とても仲の良いご夫婦で、いつもどこへ行くのも一緒でした。夫が亡くなってから妻はふさぎ込んでしまい、外出することもなくなって寂しさからお酒に頼るようになりました。アルコール依存症になり、子どもさんたちは困っていました。予期せぬ夫の死を受け入れられない母親の寂しさをどうにもしてあげられない様子でした。残された妻も高齢で変化を受け入れられない----。そんなことが起きていました。

人生、予想外のことが起きることのほうが多いのかもしれません。夫婦仲良くは理想的ですが、それでも個人として生きている部分があるほうが不測の事態を乗り越えられる、ということもあるのですね。よくストレスを夫や妻にぶつけてしまう、といったことが起きます。自分のストレスや楽しみは自分自身でどうにかする。それも大切なことです。一人の時間と夫婦の時間 のバランスが良いところを見つけていくのが、定年後のひとつの課題ではないでしょうか。

<まとめ>
自分の楽しみやストレスは、夫婦といえども共有はできないものです。

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<教えてくれた人>
立木ミサ(たつき・みさ)さん

夫婦問題カウンセラー。1959年、神奈川県生まれ。これまで1200人以上の夫婦問題に接し、男女、世代を問わずに夫婦に起きるあらゆる問題に取り組んでいる。「生き苦しさ」を乗り越えるためのサポートを主軸にカウンセリングを行っている。

関連データ

<オフィシャルブログ> http://ameblo.jp/tatsu-go-go

この記事は『毎日が発見』2015年11月号に掲載の情報です。
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