中高年やシニアの中途採用が活発化! キーワードは「熟戦力」と「年功助力」

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人手不足が叫ばれて久しくなりますが、なかなかそれを解消する決定的な方策は見つかりません。しかし、定年を迎えた団塊の世代を中心とした、中高年・シニア層のパワフルな活躍により、人手不足解消の兆しが見えてきました。

具体的には、雑誌やPCサイト・スマホアプリなどの求人情報メディアが、働く意欲のある中高年やシニア層を意識した取り組みを始めたのです。2017年10月3日には、株式会社マイナビが40代以上の採用に特化した求人情報サービス、『マイナビミドルシニア』をスタートさせました。さらに、アルバイト・パートや人材派遣などの現場も、定年後の60代シニアを活用する動きが増えています。

mynavi-ms.jp_.pngマイナビミドルシニア公式サイト

 

「熟戦力」の持つ豊富な経験に期待

リクルートの2018年トレンド予測によると、中高年社員を活用するキーワードは「熟戦力」なんだとか。長年に渡り、組織で働いた経験やスキルを持つ中高年。その力を見込んで「即戦力」としての働きを求め、企業側が中高年、さらにはシニア層の雇用に積極的になってきています。

採用要件.png株式会社リクルート「2018年トレンド予測・人材派遣領域」より

 

雇われる中高年・シニア層側も、<人生100年時代>とも呼ばれる寿命の延びや、年金支給開始年齢の引き上げなど、まだまだお金を必要とする事情もあります。「労働人口の減少」も追い風に、この先も働く意欲のある中高年・シニア層を受け入れる企業はさらに増えていくでしょう。このような「熟戦力」を活かす場の創出が、日本に新たな活気をもたらしてくれるかもしれませんね。

年の功が企業を助ける「年功助力」

中高年・シニア層の人材としての魅力は、確保のしやすさや即戦力としての経験値だけではありません。年齢を積み重ねたからこそ出せる魅力、いわゆる「年の功」にも企業が注目し始めています。

リクルートの分析によると、「年の功」には「3つのチカラ」があるそうです。1つは長年の人生で培った「自活力」、そして豊富な経験による「融通力」、さらに多くの人付き合いで磨かれた「対人力」です。

具体的には、商品売り場での「お客様の年齢や性別に合わせた提案」や、「親しみやすく、安心感を与えるトーク・雰囲気」、「困難やトラブルにめげず、前向きにがんばる粘り強さ」などが事例として挙げられています。サービス業を中心に「いるだけで安心できる、頼りになる、雰囲気がよくなる」存在として、積極的な雇用が進んでいるというわけです。

20171212_12_ページ_04.png株式会社リクルート「2018年トレンド予測・アルバイト・パート領域」より

 

健康面やPCスキルのフォローが必要

しかし、そういった経験豊富な中高年・シニアを雇用する動きは、まだ一部にとどまっているのが現状です。リクルートのトレンド予測資料によると、シニア層の積極雇用に踏み切っているのは、企業全体の約1/4程度。そして、「働きたいシニア」が実際に40%以上も採用される一方、「仕事探しをあきらめた」層も30%以上いることが報じられています。

20171212_12_ページ_05.png株式会社リクルート「2018年トレンド予測・アルバイト・パート領域」より


さらに、シニアには「健康リスク」や「体力不足」、「PC知識の不足」といった問題もあります。これらを解決するには、企業側のフォローが不可欠です。シニアの雇用に積極的な企業は、たとえば血圧計を設置したり、こまめでフレキシブルな休憩をとったりするような健康面のフォローを実施しています。また、PCスキル研修や動画を活用した身に着けやすい実技研修など、シニア層の持つ不安の解消に取り組んでいます。

「転職は30代まで、60過ぎたら定年退職」という、少し前までのビジネス常識は、もはや過去の遺物になりつつあります。採用される側もする側も、これからは「熟戦力」「年功助力」を意識して就職・転職活動、採用活動に臨んでみてはいかがでしょうか?

文/千葉洋一

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