なぜ!?キレやすくなった老親に困惑。その理由は脳にあった!

メイン.jpg親が高齢になるにつれて「困った!」と感じることが、増えていませんか?「期限切れの食べ物に破れた服、何でもとっておくの、やめてほしい!」「いつもどこかが痛いと言っているくせに、頑として病院に行かない。こっちは心配してるのに......」など、多くの人が感じる老親の"あるある"にスポットを当てたのが、書籍『マンガで笑ってほっこり 老いた親の気持ちがわかる本』です。大阪大学大学院教授で、日本老年行動科学会会長も務めた佐藤眞一氏監修のもと、なぜそうなるのか、行動の裏に隠された要因を心理学、医学的な見地から解説しています。

 

原因は脳機能にあった!老化で変わるものと変わらないもの

そんな"あるある"の一つとして本書で紹介されているのが、「年老いた親が昔より怒りっぽくなった」ということ。メディアなどでも、キレる若者ならぬ「キレる老人」の増加が度々話題にされていますね。「メールを送りたいと言うのでやり方を教えていたら、難しくて分からないと急にキレだした!」「せっかく外食に誘ったのに、バスが少し遅れただけで不機嫌になる」など、ささいなことでキレられると「もう知らない!」と言いたくなってしまうもの。でも、ちょっと待って! そのイライラ、もしかしたら脳機能の低下のせいかもしれませんよ。

ここで知っておきたいのは、人は年をとると理性をつかさどる脳の前頭葉の機能が低下してしまうということです。複数の情報を同時に処理することも難しくなり、周りに気をつかう余裕もなくなります。

前頭葉がうまく働かないと、感情のコントロールがしにくくなり、怒りっぽくなったりすることがあるようです。加えて、高齢者は「身体が思うように動かなくなってきた」「現代の世の中に馴染めない」などのストレスを、日ごろから抱えているケースが多いとされています。それらが積み重なって我慢の限界になっているところに、タイミング悪く少しのきっかけが与えられてしまうと、キレてしまうことになると筆者は言います。

「老いる」ということは、経験してみないとなかなか実感できないかもしれません。しかし、たとえば、私たちが徹夜明けで頭の回転が鈍っている時に、怪我をした手で慣れない作業をしようとしたら......と考えてみてはどうでしょう。高齢者がつい感情的になってしまうのも、うなずけるのではないでしょうか。

ここまで、「老いる」ことについてのマイナス面ばかりに言及しましたが、決してそれだけではないと筆者は指摘しています。

たとえば、高齢者に悩みを打ち明けると、とても的確なアドバイスを返してくれることがありますよね。それは、経験を土台とする「結晶性知能」は年を重ねても衰えることなく、一生にわたって発達し続けるからだと言います。認知症になっても得意な料理の腕は変わらない、などもその一例です。高齢者は人生経験を多く積んだ分、この「結晶性知能」が発達しているので、状況に応じて的確な助言ができるというわけです。まさに「亀の甲より年の功」ですね!

親が老いていくという事実は変えられません。だからこそ、「老いる」とはどういうことか、良いところも悪いところも含めてきちんと知り、親の変化に寄り添う、そんな姿勢を大切にしたいですね。

 

文/寺田きなこ

『マンガで笑ってほっこり 老いた親のきもちがわかる本』

(佐藤眞一(監修), 北川なつ(イラスト)/朝日新聞出版) 

年老いた親の気持ちや行動をマンガを交えながらわかりやすく解説。親との関係に悩んでいるという方はぜひご一読を。親もあなたもまた笑顔になれるアドバイスつきです。

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