「この手があったか!」な介護費用の捻出方法【人気FPが指南する60歳からの投資術】

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『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』 (横田 健一/KADOKAWA)第4回【全7回】

「貯蓄から投資へ」という流れの中で、60代になり「お金の貯め方・増やし方」だけでなく「賢い運用法」に悩む方もいらっしゃるのではないでしょうか。書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』(KADOKAWA)は、そんなシニア世代に向けた一冊。ライフプランニングと投資に精通した著者が、これからの時代に合った資産運用、年金の最適な受け取り方、そして大切な資産を長持ちさせるための「取り崩し方」を分かりやすく解説します。単に増やすだけでなく、人生を豊かにするための「賢いお金の回し方」のバランスを見つけるヒントが満載です。セカンドライフを安心して、そしてより豊かに過ごすために、ぜひご一読ください。

※本記事は横田 健一(著)による書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』から一部抜粋・編集しました。

【リタイア後のお金】使うかもしれないお金

介護費用は保険と運用で用意する手もある

介護費用は600万円程度が平均像で、夫婦2人分なら保守的に考えて1200万円程度、少し低めにみて900万円程度を目安にする考え方もあると述べました。80代前半では4人に1人が要支援1以上に認定されるので、ある程度の資金は用意しておいた方が安心です。しかし長期間、預貯金に置いておくと、インフレリスクも気になります。そこで提案したいのが、民間の介護保険と世界株ファンドを併用しながら、80歳時点で600万円程度の資金ができるよう、準備する方法です。

準備をはじめるのは60歳で、準備にかける金額は300万円です。手元資金300万円のうち、213万円を世界株ファンドに投資します。リスクがある世界株ファンドで介護費用を準備するのは不安と感じるかもしれませんが、過去の実績では、15年以上保有して世界株ファンドが元本割れしたことはありません。 

残りの87万円は民間の保険会社などが扱う介護保険の保険料に充てます。ここではコープ共済の介護保険を例に考えます。

要介護2以上の状態になった際に介護一時金300万円が支払われるタイプに加入した場合、60~64歳では保険料が月額1070円、65~69歳では1800円などとなります。80歳になる前月まで加入した場合、保険料の合計は約87万円です。

加入中に要介護2以上の状態になった場合は、介護一時金300万円を受け取ることができ、介護資金に充てることができます。短期では世界株ファンドが値下がりしているリスクもありますが、保険の場合、加入してすぐに要介護2以上になっても保険金が支払われ、安心です。

保険金の300万円を優先的に使っていき、資金が足りなくなったら、世界株ファンドを必要に応じて取り崩し、使っていきます。 

世界株ファンドには値動きがありますが、介護保険で一定の額を確保しておけば、いざというときに介護資金がないという事態を避けられます。

なお、統計的に70歳未満で要介護状態になる割合は低いため、介護保険には65~70歳くらいで加入するという選択もあります。その場合でも、世界株ファンドへの投資は60歳など、早めに行う必要があります。早くはじめるほど運用できる期間が長くなり、リスクを抑えられるからです。

・本書の記載内容は、2025年4月時点の情報に基づいています。
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※本記事は横田 健一(著)による書籍『増やしながらしっかり使う 60歳からの賢い「お金の回し方」』から一部抜粋・編集しました。
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