目からウロコ!起業に必要なことは実は2~3年で学べる【慶應SFC研究所 上席所員が解説】

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『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』 (河野純子/KADOKAWA)第7回【全10回】

「人生100年時代は、まず女性にやってきます」──そう語るのは、女性向け求人誌「とらばーゆ」元編集長で、現在はライフシフト・ジャパンの取締役CMOを務める河野純子さんです。一般的に60歳は定年とされていますが、人生100年時代においては、それは人生の一つの転換点に過ぎません。その後の40年を「楽しく働き、自由に生きる」ことが重要だと河野さんは言います。『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)は、60代以降、好きな分野で小さな仕事を立ち上げ、90歳まで続けるために必要な心構えや準備についてまとめられた一冊です。今回は、この本の中から、会社や家族のためではなく、自分の人生を生きるために知っておきたい情報やスキルを抜粋してご紹介します。

※本記事は河野 純子著の書籍「60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし」から一部抜粋・編集しました。

起業に必要なことは2~3年で学べる

さて、学ぶ時間はたっぷりあると書きましたが、先輩たちは何を、どれぐらいの時間をかけて学んで、「雇われない働き方」へとシフトしていったのでしょうか。

まず会社員が全く経験のない領域で事業を起こそうとした場合、学ぶことは2つあります。1つはその仕事に必要な技術や資格。もう1つは経営です。会社員の場合、一般的には事業計画を立てたり、資金繰りや税務申告をしたりした経験がないので、こういった基本的な経営スキルを学ぶ必要があります。

必要な技術や資格などを学ぶためにかかる時間は、起業する分野と学び方によって違いがでます。藤田さんは国家資格が必要な美容師での起業で、通信教育という学び方を選んだので10年かかりましたが、多くの場合、2~3年、中には1年程度の学びで起業に踏み切ってしまう人もいます。そんな短い「修業」で起業できるの? と不思議に思うかもしれませんが、仕事で必要なスキルが磨かれるのは、実務の現場。そのため、まずは必要最低限の技術をスクールなどで学び、経験を積むために小さく仕事を始めてしまうケースが多いのです。

「雇われる働き方」だったら実務経験なしだとなかなか採用になりませんが、そこは自分が雇用主だから「即採用!」となるわけです。これ、ちょっと目から鱗じゃないですか? もちろん、一人前になるまでには実際に仕事を始めてから数年はかかりますが、その時間こそたっぷりあります。

経営については、多くの人が自治体や商工会議所などが主催する「創業支援セミナー」などを利用しています。学びの期間は数回から数か月といった程度。それほど難しいものではなく、本を読んで勉強したという人もいます。

つまり小さく事業を始めるために必要なスキルと経営を学ぶ時間は、数年あれば十分なのです。時間がかかるのは実はその前段階、何で起業するのか、つまり自分は何をやりたいのかを考えるプロセスです。

 
※本記事は河野 純子著の書籍「60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし」から一部抜粋・編集しました。

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