「あのケーキ、また食べたいな」新婚夫婦に届くクリスマスケーキ。数年後知った真実に涙...<後編>

「新婚だった私たちが住んでいたマンションの大家さんは、毎年クリスマスイブにケーキを届けてくれました。その心遣いが嬉しくて...。今はもう引っ越しているのですが、今でもあの美味しいケーキを思い出します。先日、不動産会社さんと大家さんの話になったんです」

「あのケーキ、また食べたいな」新婚夫婦に届くクリスマスケーキ。数年後知った真実に涙...<後編> 1.jpg

■思い出すのは美味しいケーキと大家さんの優しい笑顔

なんだろうと思って出ると、まさかの部長さん。

しかも、手にはホールケーキが入っているであろう箱を持っています。

「クリスマスですから...」といって差し出されたホールケーキ。

夫婦で「えぇー! ありがとうございます!」と驚きながらも感謝して受け取りました。

もし私たちが出かけていて不在だったら、このケーキはどうなっていたのだろう...なんて考えつつ、さっそくケーキをいただくことにしました。

ケースには賞味期限のシールなどもなく、どこのお店のものかも謎でした。

ですが、食べてみるとなんとも美味しいのです! 

美味しい美味しいと食べつつ、さらに自分たちで用意したホールケーキもあったので、2つのケーキを食べるという豪華な夜でした。

予想外のプレゼントってとてもうれしいものなんだと感じました。

それから毎年、クリスマスイブは部長さんがくるかもしれないと思い、家でお祝いするようになりました。

そして、毎年部長さんは、サンタクロースのように必ずケーキを届けてくださいました。

こちらもお返しをしたりしましたが、部長さんがいらっしゃるのはクリスマスイブのみ。

普段の行き来はないので、つかず離れずでいい関係だなとしみじみ思っていました。

その家は5年住んで引っ越してしまったのですが、最近、なじみの不動産屋さんから、部長が病気で亡くなったことを聞きました。

ショックを受けながら、あのケーキがまた食べたいなと、大家さんの笑顔とともに思い出しました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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