「訪問介護ヘルパーとして働くにあたり、『出されたものはいただかない』のがルール。でも、利用者のみなさんが、私が来るのを楽しみにしてくれているので、断ることに罪悪感を感じることもありました。ある日、Aさんのお宅を訪問したときのことです。そこで出されたものを断り切れず、口にした私...。ルールの大切さを身をもって知りました...」

■ん? 腐ってる!? でも断れない...!
Aさん宅にお邪魔すると、ふかし芋を用意してくれていました。
「美味しいから食べて」と勧められ、断り切れず、口元まで持ってくるとちょっと匂いがヘンです。
私が少し「躊躇」していたのが「遠慮」に見えたのでしょう。
「美味しいからぜひ食べてね。このお芋甘いでしょう? ね?」
Aさんは私の顔を覗き込むようにしながら、さらに勧めてきました。
匂いがだいぶおかしくなっていたので断りたかったのですが、Aさんを傷つけずに断る方法を数秒の間に見つけることができません。
散々迷った挙句、意を決してヘンなニオイのお芋をパクリ。
そのまま勢いに任せて平らげてしまいました。
帰り道、軽い食あたりだったのか、それとも精神的なものからだったのか、みるみると気分が悪くなって嘔吐してしまいました。
こういうことがあってはいけないから「訪問先で出されたものはいただかない」というルールがあるのかもしれないな、と苦しい中で考えたのでした...。
それ以降、私はどこのお宅に行っても「糖尿病予備軍」ということにして、訪問先では何も食べない姿勢を貫いています。
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