「経営する居酒屋にやって来た迷惑な客。5人の予約だったはずが、予約時間になっても現れません。無断キャンセルと諦めかけていると、そのうちの1人が2時間も遅れてやって来ました。それだけでも、あり得ないのですが、その後の驚くべき言動。もうあ然です...」

■悪びれる様子もなく、着席した客は...
予約の5人のうちの1人が入ってきました。
この1人の客の態度がなんとも不可解きわまりないものでした。
私「お揃いになるまでお待ちになりますか?」
客「いや、今日は一人です」
私「ご用意した料理を、お出ししますか?」
客「ビールとお通しだけで結構です」
えっ!と心の中で驚くとともに、この客の対応が、私には宇宙人のように思えました。
わがまま放題の注文を予約して、何事もなかったかのように振る舞うのは理解を超えていました。
それにしても、このお客さんは謝るわけでもなく、言い訳をするでもなく、いったい何をしに店へ顔を出したのでしょうか?
いまだに、腑に落ちません。
その客は結局、ビール1本飲んで帰りました。
ほかにお客さんがいなければ、その客を問い詰めていたかもしれませんが、居合わせたお客さんを不愉快にさせるわけにもいきません。
同じ予約でも、日時や人数だけとか、店のコース料理の予約なら、実質の被害金額は知れています。
この日は、お帰り願った常連さんの売上まで含めたら、10万円近い損失になりました。
けれども、私には怒りよりも、このとんでもない5人の客に対する、あきれ果てた感情のほうが強く湧いていました。
同じことを若い人がしたのなら、たぶん私は苦笑いをして終わっていたと思います。
会社は分かっているから、乗り込んで一言とも考えましたが、私はそういう修羅場を好みません。
ふだんは食材が余れば店を終えてから食べるのが常ですが、このときばかりは見るのも嫌で、もったいないけれどすべて捨てました。
情けないですが、それがそのときの私にできた唯一の腹いせだったのです。
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