「転職したばかりの職場の先輩。手芸が趣味なようで、私が作品を何気なく褒めのですが、そこから始まったプレゼント攻撃。正直、お返しもしなければならず、ありがた迷惑なのですが...」
■お手製グッズに「お返しはいいから」と言うけれど...
袋の中に入っていたのは、パッチワーク・キルトのティッシュ入れ。
もちろん下手ではないのですが、手作り感が満載で、かすかに防虫剤の臭いがします。
聞けば、パッチワークの布は、ご自分の古着とのことでした。
古着のリサイクルと知り、かなり引いてしまったのですが、気持ちは嬉しかったので、丁寧にお礼を述べました。Aさんは満足そうでした。
使わないと悪いと思い、ティッシュ入れをバッグに忍ばせ出勤すると、再びAさんから紙袋を渡されました。
昨日のより二倍の大きさの紙袋には、ポーチと携帯ストラップが二つずつ詰まっていました。私と主人の分だそうです。
困惑する私に、Aさんはこう畳みかけました。
「お返ししなくいいからね」
本当に「気を遣わなくていいよ」といった感じの口調でした。
でも、お返しをするつもりなど1ミリもなかった私は、殴られたような衝撃を受けました。
私はその日、お礼の品として、千円程度のお菓子を買って帰りました。
自宅で貰ったポーチを手に取ると、チョコレートと思しき小さな焦茶の物体が付いていました。
「お菓子を食べながらの針仕事が好き」というAさんの言葉が思い出されます。
このポーチを作ったときも、チョコレートをつまんでいたのでしょうか。
チョコレートを口に入れた指で、縫ったのでしょうか。
潔癖症ではないですが、想像するといい気はしませんでした。
「なぜ欲しくもない物を貰って、お金を使わなければいけないのか」とモヤモヤしつつも、翌日、Aさんにお礼の品を渡しました。
Aさんは飛び上がらんばかりに喜びました。
「息子の嫁なんてお礼も言わないのに、あなたは偉いわ」と褒められ、ほんの少しモヤモヤも晴れたのですが、やっぱりお返しなどしないほうがよかったにかもしれません。
なぜなら、私は見てしまったのです。休憩時間にAさんが「刺繍入の手提げバッグ」を縫っているところを。
アレは誰のために作っているのでしょうか。
私のためとしか思えません。
もし、そうだとしたら、またお礼をしなければならないのでしょうか。
この先も続きそうでモヤモヤは募るばかりです。
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