バイト先で「寸借詐欺」に遭った私。簡単に人の話を信じてはいけないと思った出来事<前編>

「50代の男性です。バイト仲間に加わった、一見すると常識的な中年女性。大人しそうな彼女に油断していると、とんでもない目にあいました」

バイト先で「寸借詐欺」に遭った私。簡単に人の話を信じてはいけないと思った出来事<前編> 22.jpg

■アルバイト仲間から「5万円貸してほしい」と言われ...

現在、56歳の私が15年程前に経験した事件です。

当時、転職活動中だった私は、飲食店でアルバイトを始めました。

気さくな店長は40歳で、20代から30代前半の仲間たちを上手にまとめていました。

店長の人柄もあってか良い雰囲気の店で、私も1カ月ほどであらかたの仕事を覚えました。

そんな折、バイト仲間に女性が1人加わりました。

40歳くらいの独身女性で、アルバイトで生計を立てているとのことでした。

内気な性格のためか、少なくとも私には彼女がみんなと打ち解けているようには見えませんでしたが、年齢が近いこともあり、彼女とシフトが一緒の日は努めて仕事を教えるようにしました。

そうして数日が過ぎた頃、私は彼女に呼び止められました。

「来月には必ず返します。少しお金を貸してくれませんか」

彼女とは知り合ったばかりですし、私はお金の貸し借りも嫌いです。

やんわりと断りましたが、彼女は哀れを誘うように言いました。

「私は何とかできるけど...猫が部屋の中でやせ細って可哀想で見てられない」

「栄養失調で体調が悪いのに、病院にも連れていけない」

結局、私は猫の話に同情してしまい、餌と病院代で5万円を貸しました。

彼女は何度も深々と頭を下げ、目に涙を溜ながら「猫が喜ぶ!」と喜んでいました。

良かったと思う一方で、不安を感じずにはいられませんでしたが、まあ大丈夫だろうと私は信じることにしました。

それからしばらくしたある日、店に行くといつもは明るい店長の顔が曇っていました。

「あの人、今日も無断欠勤」

店長はシフト表の彼女の名前を指して言いました。

「もしかして彼女にお金とか貸してません?」

私は彼女に頼まれ、5万円貸したことを言いました。

「やっぱりか!」

店長は大きく溜息をつきました。

なんとバイト仲間のほぼ全員が借金を頼まれ、私の他にも数人が貸していたのです!

 

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