「幼い頃に両親と生き別れ伯父の養女となり、実父の兄を『父』、血のつながっていない伯母を『母』と呼んで育った私。私は母に対して、特別な感情を抱いています。なぜなら、母は出産間近の娘を分娩室に置いて帰ってしまったのです! その後の会話からも、孫の誕生に興味がないことがわかりました」
■孫が生まれた病院を知らなかった母
ほかの妊婦さんのご家族は、入院中も出産中も心配そうに付き添っているようでしたから、いよいよ分娩室に移って産もうというときになってひとりぼっちにされるとは思いも寄らず、孤独を感じました。
孫が産まれる瞬間よりも、夕方までに帰宅することを優先するなんて信じられず、とても悔しかったです。
夫が病院に来たのは、仕事を通常通り終えて夜遅くなってからでした。
私に電話をかけても通じないから病院に来てみたと言うのです。
母から電話がかかってこなかったかときいても、着信がないと言います。
後日母に確認したところ、夫ではなく他人に間違い電話をかけて留守番電話に伝言を残したようです。
夫の実家にも連絡してくれるはずもなく、夫も夫の両親も、私が分娩室にいることを知りませんでした。
日付が変わる頃まで産まれず、助産師さんが一人で対応していたのですが、夜中に来てくれた主治医が私のお腹の上に登って赤ちゃんを押し出すと、へその緒が首に巻き付いていて仮死状態でした。
無事に育つか不安で、産後病院で一人泣いてばかりいました。
幸いにも息子は3週間検査入院した結果、異常がないので無事に退院し、元気に成長しています。
そして時が経ち息子が5歳になる頃、母が「もう一人産まないの? 一人っ子じゃかわいそうだよ」と言いました。
初めての妊娠も出産も育児も、孤独で不安だった気持ちを知らずに、親らしい協力をしてもくれないくせに、余計なお世話を平気で言ってくる母が憎らしいです。
先日、母が「評判のいい病院に行ってみたら、家からも通いやすいし、車も停めやすくて、いい所だったよ。あんないい病院があるなんて知らなかった」と、初めて行ったような口ぶりで、私が出産した病院の話をしました。
そこで孫が産まれたと認識していないのです。
いかに私の出産に興味がなかったのかということが改めてわかりました
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