音信不通だったが...認知症の叔母の「貯蓄額」に態度が豹変した従兄。12年間の争いの末に<後編>

「22歳年上の従兄と叔母の面倒や遺産を巡り、争ってきた12年間。やっと決着がつきました。お金に目がくらむ人間の怖さを改めて思い知った経験でもありました」

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■叔母の死後は従兄と遺産相続争いに...

自分が叔母を病院に連れて行くとのことでした。

それからの従兄夫婦の行動は早く、医療機関に関する叔母の保護者になり、叔母は「アルツハイマー型認知症」と診断されたことで、とりあえず病院に入院させました

その後従兄は、勝手に叔母の自宅の家探し。

また、お金が必要なので、公証役場で任意後見契約の手続きをするから、すべての預金通帳を持ってきて欲しいというのです。

それで、一緒に公証役場に行きました。

任意後見契約が何かは分からなかったのですが、公証人が「ただ叔母さんの医療費や生活費を代わりに支払ってあげるだけですよ」と言うので、「年金の通帳だけを渡せばいいですね。」と言うと、従兄が「それはすべて渡してもらわないと困る」と。

ですが公証人も年金だけの通帳だけでいいと言うので、それには従兄もかなり不服そうでした。

それからすぐに、従兄は叔母を施設に入所させましたが、費用を削ったのかお世辞にも言い環境とは言えず、従兄の家から

私は「協力するのでもっと設備の整った施設に入所させよう」と提案しました。

しかし従兄は、「叔母は認知症だから、そんな無駄なお金は遣う必要がない」というのです。

どんなに分からなくても叔母のお金は、叔母のために使う物だと私が言い張ると、従兄は「うるさい」と凄い剣幕で怒鳴ってきました。

人が変わったようなその様子を見て、恐怖をおぼえました。

それ以来私にできたことは、認知症が段々とすすむ叔母を見舞い、2、3時間一緒に過ごすことの繰り返し。

「もっといい施設で過ごせたらいいのにね」と思いながら5年後叔母は他界しました。

その後は、叔母の遺産相続で従兄と争うことに。

私達の法定相続分割法の言い分に対し、従兄は「自分が面倒をみたのだから半分はもらう。残りの半分を8人で分割すればいい」と言い張る始末。

あまりに悔しく、法律で解決しようと調停へ申し立てました。

<そこで分かったのは、従兄は認知症の叔母に代わり手続きをして700万円の年金保険も手にしていたこと。

その後、年金保険の700万円の返金と法定相続での遺産分割をめぐり裁判をしましたが、7年間の戦いの末、私達の言い分がすべて認められました。

しかし、その判決の少し前に従兄は他界しました。

従兄にとって、叔母はお金でしかなかったのか。

とても寂しい結末です。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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