「本当に同じ人...⁉︎」戦隊ヒーローショーの「裏側」を知ってしまった私は...

「40代の女性です。子どもたちを魅了する戦隊ヒーローショー。あくまで子ども向けのものだと思っていませんか? 私は舞台裏を知ってから、特別な気持ちで観賞するようになりました」

アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?

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■戦隊ヒーローショーの裏側には、将来を夢見る若手俳優たちの姿が見える

私(47歳)は20代の頃、イベント会場などで行われる戦隊ショーを見るのが趣味でした。

別に小さな子どものように、戦隊シリーズや戦隊ヒーローショーそのものに興味があったわけではありません。

見るようになったのは、学生時代のアルバイトがきっかけです。

高校時代にイベント関係のアルバイトをしていて、とくに戦隊ヒーローショーの仕事がお気に入りでした。

仕事内容は、ショーが開催される会場の準備や観客の誘導、安全管理など。

ショーでのスーツアクターは主にアクションクラブの方々が担当し、毎回20歳前後の若い役者さんたちが演じていました。

みなさん気さくで、休憩時間にはよく話をしてくれました。

その中でも男性Aさん(当時21歳)は、とくに印象に残る方でした。

Aさんはお世辞にもハンサムとは言えず、身長はほどほど、髪はボサボサで、ヨレヨレのTシャツを着た、どちらかと言うば「冴えない男」といった感じでした。

彼はプロの舞台俳優を目指し、アクションクラブに加えて劇団にも所属していました。

アクションや演技の勉強、アルバイト、合間に戦隊ショーや劇団の公演、さらにはオーディションへの参加と、すこぶる多忙な日々を送っているとのこと。

睡眠時間は1日3時間程度だったそう。

それならば、身だしなみを気にしていられないのにも納得です。

こういった業界の下積み時代は大変なようです。

正直なところ、野暮ったいAさんはいたって一般の人という感じで、最初に会ったとき、私は役者に向いているのかな...と思っていました。

■野暮ったいAさんはスイッチが入ると変身した!

ところが、です。

本番前のリハーサルが始まると、Aさんは途端にキラキラ輝き出しました。

Aさんは主役で、リハーサルでも手を抜かず、俊敏でキレのある動き。

軽やかにバク宙まで繰り出し、他の役者さんたちと比べても、明らかに頭一つ抜けている感じでした。

ショーでは武器を扱うのですが、その扱いも見事で、私は目を奪われました。

Aさんが衣装を身にまとい本番のステージに立つと、そこには紛れもなく、子どもたちが憧れるスーパーヒーローの姿がありました。

その変貌ぶりに心底驚いた私。

その後もAさんとは何度か仕事で一緒になり、ちょっと仲良くなって、アテレコブースを見学させてもらったこともありました。

戦隊ヒーローショーは、小さな会場では演者自身がすべてをこなすか、事前に録音された音声があてられますが、規模の大きな会場だと、演者と声担当に分かれて公演が行われるケースが大半です。

声の担当はステージから向かって正面あたりのブースに入り、ステージ上の演者の動きに合わせ、同時進行で声をあてます。

それぞれに専門の担当がいるわけではなく、演者と声担当はローテーションで回しているようでした。

Aさんはそのとき、2~3人分の声を担当されていました。

人物を演じ分ける演技力は、これまた圧巻。

「え、このキャラクターたち同じ人の声なの!?」という感じで、多感な女子高生だった私は本当に感動しました。

ステージの裏側を目にできたのは、とてもいい経験でした。

ただ、私には私の仕事があったため、Aさんが躍動する本番ステージをほとんど見られなかったことがいまでも心残りです。

それ以来、私は戦隊ショーを見るのが趣味になり、近場でイベントが開催されると見に行っています。

優れたパフォーマンスを見るたびに、役者さんたちの陰の努力が目に浮かび、感動して涙が出ることもあります。

その後、Aさんと会うことはなく、残念ながら名前も忘れてしまったためネットで検索しても思い出せませんが、いまは努力が実り成功していることを祈りたいです。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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