「60代の男性です。車は移動のための道具と思っていた私ですが、お気に入りの車に乗るという楽しみを教えていただく機会がありました」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■還暦過ぎの大冒険! 乗り慣れた愛車の代わりに選んだのは...
2024年の1月、私は車を買い替えました。
いままでの車は12年近く乗っていた軽自動車で、中古で手に入れた使い勝手の良い1台でした。
新しい車はまたも中古車ですが、思い切った車にしました。
電動で屋根を開くことができるオープンカーです。
この車を選んだ理由は、近所に住むOさん(70代)の勧めがあったからです。
2023年の9月、愛車を不幸が襲いました。
梨を運ぶ車に出会い頭にぶつけられ、ベッコリとドアが凹んでしまったのです。
なじみの修理工場で見てもらったのですが、難しい顔をして言いました。
「こりゃドアを取り替えるしかないね...けっこう掛かるよ」
「ずいぶん乗ったからなあ、そろそろ買い替えちゃってもいいとは思うんだけどね」
いっそ買い替えるかという気持ちでいた頃、4年ぶりに地区のお祭りが開かれました。
昼間から軽く一杯やりながら、知り合いとそんな話をしていたところ...。
「だったらオープンカーなんてどうですか?」
そう口を挟んできたのがOさんだったのです。
Oさんは3軒の薬局を経営する資産家です。
3年ほど前、私たちが暮らす地区に家を建てて引っ越してきました。
「田舎暮らしをしたかった」からだそうですが、派手な赤いオープンカーを乗り回していて、近所ではちょっと異色の存在でした。
「いいですよ、オープンカー。なんというか、自然との一体感がね」
「いやあ、でも、いい歳をしてそんな派手な...」
「歳を取ってからこその渋さがありますよ。時間があったら我が家においでください」
熱っぽく魅力を語るOさんの姿に、ちょっと面白そうだと思い伺うことにしました。
■オープンカーの魅力を熱弁するOさんの驚きの車遍歴
Oさんの家に伺うと度肝を抜かれました。
大型のガレージには3台のオープンカーが並んでいたのです。
「すごいですね。本当にお好きなんですね」
「いやいや、こればかりじゃありませんよ。さあ、お入りください」
家の中に招き入れられると、壁一面にオープンカーの写真がずらりと飾られていました。
数えてみると、なんと13台!
「やっぱりドイツ車はいいですよ。作りがしっかりしている」
Oさんは黒い幌付きのオープンカーの写真を見つめながら語り始めました。
「こっちはイタリア製、彼の国は雨が少ないので、雨に弱いのが難点でしたね」
「日本車だとおすすめは、これとか...これもいいですよ」
オープンカーのことを語りだすと止まらないようで、完全なるオープンカーフリークでした。
「はあ、確かに気持ちよさそうですね」
「でしょ! どんな感じがお好みですか?」
私はすっかりその熱量に押されて、おぼろげなイメージを話しました。
「うん! それならこのフランス車が一番ですよ。シックで普段遣いにも十分です」
「いやあ、でも外車なんて...」
「なに、中古で探せば程度のいいのが100万円ぐらいで手に入りますよ」
そう言われて知り合いの自動車販売店まで紹介していただき、その後3カ月ほどで意中の1台が見つかりました。
実は昔から興味はありました。
映画などで見るオープンカーには憧れもありました。
しかし、まさか自分がオープンカーに乗る日が来るとは思っていませんでした。
実際に乗ってみると、その開放感は素晴らしく、久々にロングドライブも計画しています。
よき出会いのチャンスを作っていただいたOさんには感謝しています。
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