「50代の女性です。若い頃って『いま、楽しければそれでいい』って思いがちですよね。でもそれは...と思うようなことがありました」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■お菓子が主食!? 彼女にとって栄養ってなんだろう?
30年近く前の話です。
3歳年下の会社の後輩Aさん(女性)の家へ、当時1〜2歳だった娘を連れて遊びに行きました。
Aさんとは部署が同じで気が合い、仲良くしていたのですが、しばらくして私は結婚出産のため退職、Aさんは転職したと聞いていました。
Aさんは実家暮らしです。
手土産を持ってお邪魔したのは、ある週末の夕方5時か6時くらいだったと思います。
なんとなくですが、お茶でも飲んで少しおしゃべりをしてから3人で外食を...と考えていました。
ポテトチップスやビスケット、おせんべいなどをつまみながら小1時間ほど楽しく話していたでしょうか。
気づけば、時刻はすでに夜の7時半。
娘は普段、6時半〜7時くらいに夕食をとっています。
ところがAさん、夕食の素振りはまるで見せません。
彼女はさらにお菓子を追加し、お茶やジュースのお代わりを入れてくれようとします。
これ以上、娘を待たせるわけにもいかないので、「あのさ、もしよかったら外で夕食を食べない?」と提案しました。
■「夕食?」キョトンとした彼女の顔にこちらまでキョトン
すると、少し戸惑ったような表情で彼女は「あ、そうか。ごめん、気がつかなくて。私、ごはん食べないんだ」と言うではありませんか。
「え、ごはんを食べないの?」
私は、事態が飲み込めずに思わず質問してしまいました。
結局、Aさんは娘のことを察してくれて、すぐ近くのファミレスへ行くことになり、私と娘は適当にごはんを注文しましたが、彼女はケーキセットのみ。
なぜ、Aさんは夕食をとらないのか。
聞けば、転職したばかりの頃、すぐには馴染めず、お昼に誘われても断って自分のデスクでお菓子を食べていたそうです。
いつも断っているので、そのうち誘われることはなくなり、そうこうするうちにデスクの引き出しに小腹を満たすお菓子をストックするようになったそうです。
そして、ちょこちょこそれをつまむことが習慣になり、家に帰っても空腹を感じないので、夕食をとらないようになったらしいのです。
最初は家の人も心配してあれこれ言っていたようなのですが、健康そうにしているし、仕事もそつなくこなしているので、次第に何も言わなくなったとのこと。
私も気になりましたが、まあ、成人しているわけだし、周りにとやかく言われると、よけい頑なになるかもと放っておくことにしました。
それから数年が経ち、Aさんの結婚式に呼ばれ、子どもが産まれたと連絡がありました。
ちゃんとおっぱい出ているのかな、離乳食は食べさせてるのかな...と気にすることさらに数年。
久しぶりに会ったAさんはちゃんとごはんを作り、私にもご馳走してくれました。
お菓子女子だった頃の面影はなく、立派なお母さんになっていました。
それを見てホッとし、まあ、人生なるようになるんだな、と妙に納得しました。
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。