「59歳の女性です。南欧の義父母の実家で初めてのロマンチックな休暇のはずが...待っていたのは軍事訓練並みに厳しいスポーツ週間でした」
アラフォー、アラフィフ世代の女性を中心に、実体験エピソードを寄せてもらいました。年齢を重ねると健康や人間関係、お金などさまざまな問題が発生しますが...。あなたならこんな時、どうしますか?
■「巨大タイヤ転がし」から始まったロマンチックとは程遠い日々
私の義父母は南欧出身の外国人です。
約27年前、夫(当時29歳)がまだ恋人だった頃、初めて南欧の義父母の実家で夏の休暇を過ごしたときの話です。
どんなロマンチックなことが起きるだろうとワクワクしていた初日のこと。
夫から「浮き輪取ってきて」と言われたのですが、納屋を覗いても浮き輪がありません。
夫に「見当たらなかった」と言うと「あるよ」と引っ張り出して来たのは、直径1m20cmほどのタイヤ。
「これ、お前担当」と渡されましたが、私にはとても重いタイヤです。
車にやっとこさ積み込み、ビーチに到着しました。
「奥のほうが静か」と言いながら、私を振り返ることなく、夫は車を停めた場所からどんどん歩いていきました。
この日の気温は30℃を超え、太陽は容赦なく照りつけています。
夫は戸惑いモタモタしていた私に怒って「遅い〜!」と遠くから叫んでいて、泣きそうになりながら自分の腰あたりまである巨大タイヤを転がすこと20分。
やっと夫の理想のビーチにたどり着きました。
■楽しく...ない! 激流の海でのハードすぎる「海遊び」
確かにビーチは静かで良い雰囲気です。
ですが、海に飛び込んだ瞬間、一瞬で10mほど流されました。
危険を感じてとっさに岩に生えていた海藻を掴みましたが、その場所は海流が強く、体ごともっていかれそうな勢いでした。
ふと岩場を見ると、私と同じく流されまいと海藻に必死で食らいついて頑張るムール貝の大群が...しかも水温は低く「このままだと低体温症で死ぬ!」と、必死に泳いで岸に辿り着きました。
そして、砂浜に静かに寝っ転がっていた私に「波打ち際で遊ぶ?」と夫。
その遊びというのは「波打ち際、お尻でタイヤサーフィン」という変なタイトルの遊び。
お尻をタイヤに入れて待っていると、大きな波で体はひっくり返り、飛ばされたタイヤが自分の真上に落下しそうになり、怖い思いをしました。
夫は何が楽しいのか、ケラケラ笑いながら何回も繰り返しタイヤにお尻を入れて遊んでいました。
午後は、おもちゃの小銃でレモン畑に向かって、ひたすら撃つ練習。
たまに義父がレモンの木の陰から顔を出していて、万が一当たったら大変! と、びくびくしました。
夫いわく「若い頃、兄さんが間違って撃ったときの傷がいまでも目の横に残ってる」らしいです。
翌日も毎日タイヤを砂浜で転がし、激流クロールやお尻でタイヤサーフィン、小銃での射撃訓練をこなし、軍事訓練並みの休暇を終えた私。
ロマンチックとはほど遠い、南欧のリゾート休暇でした...。
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